若者の旅行離れに終止符? 変化示すこれだけの証拠

「最近、旅先で若者をよく見かけるよ。若者は内向きっていわれていたけど変わってきたのかな」。事務所を訪れた中年サラリーマンの話に探偵、深津明日香が身を乗り出した。「それには何かワケがありそうね」。早速、調査を始めた。

こだわり体験 自己投資

明日香がまず向かったのはJTB総合研究所(東京都千代田区)。主任研究員の早野陽子さん(48)が法務省のデータを使って説明した。1年間に海外に出国した人数を人口で割った「出国率」を年齢別に見ると、2012年は20代が22.8%でトップ。08年は17.8%で、30代と40代を下回っていた。「若年層の旅行への意欲は高まってきています」

同研究所が、今年、旅行にかけるお金についてアンケート調査をしたところ、「例年より増やす」との回答が20代では14%と、60代に続いて高かった。「例年より減らす」との回答も19.5%で消極的な人も依然、多いが、「数年前に『若者の旅行離れ』と指摘されたころとは雰囲気が変わりました」と早野さん。

観光庁のデータも調べてみた。11年に国内の宿泊付き観光旅行に出かけた平均回数が前年より増えたのは20代と40代だけだった。

「旅行好きな人に話を聞いてみよう」。知人に紹介してもらったのはパソナ第1営業部の戸塚絵梨子さん(27)。戸塚さんは学生時代にオーストラリアに短期留学。英国やアジア各国にも旅行し、費用はアルバイト代で賄った。今は友人と一緒にキャンプや山登りによく出かける。思い立ったらすぐに旅立ち、自然に触れるのが好きという。

東日本大震災後、現地入りして衝撃を受けた戸塚さんは、会社の休職制度を活用して昨年6月から今年初めまで岩手県釜石市でボランティア活動も。「全国の大学生や社会人らが被災地で活動し、被災地を訪問するツアーにも多くの若者が参加していました。自分で考え、行動している人が多かったですね」

注目記事
次のページ
現地の情報スマホで収集