帰る「家」がたくさん 浮気者の「クラウド男子」
コトバ百貨店
たとえばお気に入りの美術本。毎日開いているけど、なんせ重さと固さがすごい。サスペンスドラマなら凶器として疑われるレベル。持ち歩くなんてとてもとても。そこへセールスマンがやってくる。ピンポーン。「弊社レンタルスペースに預けませんか?」。聞けばスペースは移動式で、24時間、客の近くで待機。いつどこにいても、預けた本を取り出せるという。
って、行数をさいた割にわかりにくいが、本をデータに置き換えると、これが最近よく聞くIT用語「クラウド」のイメージ。言葉は知らなくても、データで買った音楽や本を置いて、知らないうちに利用している人もいると思う。
で、クラウドに置いたデータは、パソコン、スマートフォンなど、いろんな端末で取り出せるのがメリット。データの持ち出し先、つまり「家」をたくさん持っているということ。そこで生まれた言葉が「クラウド男子」だ。
複数の彼女がいて、帰る「家」をたくさん持っている。そんな浮気男子のことをいうらしい。まあ、昔は二股、三股と呼んだもんだが、横文字となると合理的で、さらにヤな感じ。クラウド同様、知らないうちに利用してた……なんてことのないように!
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2013年11月2日付]
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