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鉄分、うつ状態と関係も 不足も過剰も体に悪影響 自己判断には注意

2013/10/29 日本経済新聞 朝刊

重要なミネラルの一種である鉄分。不足すると貧血の原因になることがよく知られ、特に幼児や妊婦、高齢者では要注意といわれる。だが、逆に過剰でも胃腸障害などの恐れがあり、バランスが大事だ。安易に自己判断してサプリメントなどで補給すると過剰摂取の可能性があると専門家は指摘する。

鉄分は赤血球を構成するヘモグロビンの材料で、体中に酸素を運ぶのに欠かせない。また筋肉や体内の様々な酵素にも必要だ。このため鉄分が不足すると様々な影響が出る。赤血球やヘモグロビンが減り、鉄欠乏性貧血になる恐れがある。倦怠(けんたい)感やツメの異常などにつながる場合がある。運動機能や免疫の働きの低下、イライラや集中力低下などの可能性もあるとされる。

■男性は糖尿病とも関係

体内で鉄分は脾臓(ひぞう)や肝臓、骨髄などに貯蔵されている。鉄分が必要になると貯蔵分から補給される。このため鉄分が減り始めてすぐではなく、貯蔵が尽きてから貧血になる。

血液中のヘモグロビン量を調べても貯蔵量は分からないが、血液中のフェリチンという鉄分とたんぱく質からなる物質の濃度が貯蔵量の指標になる。フェリチンは男女差が大きく、一般に女性は男性よりも少ない。女性だけでみると閉経前が少なく、閉経後に増加する。フェリチンが通常より少ない人は潜在的な貧血の可能性がある。

うつ状態との関係も指摘されている。国立国際医療研究センターの溝上哲也・臨床研究センター疫学予防研究部部長らの研究によると、男性はフェリチン濃度が低いと、抑うつ度合いが高い傾向がみられた。フェリチン濃度で4グループに分けて比較、最も少ないグループの抑うつ度合いは最も多いグループの2.88倍だった。女性は傾向がはっきり出なかった。

逆に、鉄分が多すぎると便秘や胃腸障害などを起こすことがある。

加えて、国立がん研究センターなどが今年6月に発表した調査結果では、牛や豚の肉を多く食べる男性は糖尿病の発症リスクが高いことが分かった。摂取量で4グループに分けたところ、最も多いグループは最も少ないグループよりリスクが約4割高かった。女性は関連がみられなかった。原因の一つとして赤身肉に豊富な鉄分が考えられた。

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