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不足すると心の不調も ビタミンCの最新知識 上手な補給法は

2013/10/31 日本経済新聞 プラスワン

 最近、生命科学の進歩により体内のビタミンCの働きについて新しいことが次々と分かってきた。健康づくりに欠かせないビタミンCを効果的に補給する方法は何か、専門家の話を聞いた。

 ビタミンCは90年以上前に、かんきつ類に含まれる、壊血病を予防する成分として発見された。しかし、体内におけるビタミンCの機能や、どれぐらい摂取することが必要かなど基礎的なことは長い間分からないことが多かった。その理由について東京都健康長寿医療センター研究所の研究副部長、石神昭人さんは「ビタミンCを体内で合成できず、食事でとらなければならない動物はヒト以外ではサルの仲間などごくわずかで、動物実験が難しかったため」と説明する。

■肺の病気に効果

 石神さんは、2002年にビタミンCを作ることのできないマウスを開発。それをきっかけに世界の研究が進んだ。例えば、ビタミンCは体内で血管、皮膚、骨などをつくるのに欠かせないコラーゲンの合成に必要なほか、よく体内に生じた“サビ”とも表現される活性酸素の除去にも重要な役割を果たしている。

 そのため、不足すると肌の老化が進んだり、生活習慣病を悪化させたりするなど、さまざまな加齢変化を促進することも分かってきた。こうした加齢性疾患に対するビタミンCの効果を確かめるための臨床研究もはじめられている。

 ビタミンCと心の関係に関する研究成果もある。ビタミンCは私たちが興奮したときに分泌される神経伝達物質であるアドレナリンの合成にも欠かせない。ビタミンCが欠乏すると、抑うつ症状などがみられることなどが知られてきた。

 そして、今年9月に発表された最新成果は、石神さんが順天堂大学と共同で取り組んだマウスにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防と治療効果だ。

 COPDは喫煙者などに多くみられる肺の病気で、肺の内部で酸素を取り込む肺胞の細胞が加齢とともに少しずつ破壊されていく病気。実験では、ビタミンC不足の状態で育てたマウスは喫煙によりCOPDが進行し肺気腫などを起こすが、ビタミンCを十分与えると予防できた。また肺気腫はビタミンC不足では喫煙を止めても治らなかったが、十分に与えた場合には改善した。

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