苔を愛でてほっこり「モスラー」
コトバ百貨店
苔(こけ)といえばそもそも手入れの行き届いた風雅な日本庭園のイメージ。ただし自分にとっては、生活臭たっぷりのイエローカードのようなもの。ベランダだの鉢植えだの、手入れをなまけたサインとして、気がつくとけっこう気軽に育っていることが多い。
てなわけで、意外に強くて育てやすいこの苔を、インテリアなどとして愛好する人が増えている。「モスラー」だ。もちろん、双子の妖精が呼んでくるあれとは関係ない。英語で苔はモス。だからモスラー、と。
苔が主役の盆栽「苔盆栽」を楽しんだり、苔で覆われたボール「苔玉」に植物を植えて飾ったり。また、苔の風合いを生かしたオブジェや、宝石の代わりに苔を植えた「苔指輪」なんていう商品も、本当に売られていたりする。
新しい物好きな私もキットを買って、苔玉なるものを作ってみた。専用土を丸めてくぼみを作り、そこに好きな植物を根ごとイン。表面に張った苔に糸を巻いて固定し、最後におにぎりの要領で握れば完成! 水やりと通気などに気をつければ、これで数年は楽しめるとか。自分の握るおにぎり同様、大きすぎ、不格好すぎだが、いとおしさはひとしお。「小さな森」とも言われる苔の世界。ハマります。
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2013年10月12日付]
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