10月と6月は衣替えの時期。最近は季節の境目がはっきりしなくなったうえ、夫婦共働きなどで家事の時間が減り、昔のような大掛かりな入れ替えは難しいという人も多いだろう。とはいえ、衣替えにはメリットも多い。現代の暮らしに合った衣替えのノウハウを専門家に聞いた。
衣替えは衣類を手にとって汚れや劣化を点検したり、サイズやデザインを見直したりするいい機会。着ない衣類を処分するチャンスでもある。
「多くの人は、持っている衣類の20%しか着ていない」。空間や暮らし方の整理手法を提案するライフオーガナイザーの鈴木尚子さんは、こう話す。残り80%の衣類は「来年着るかも」といった理由でタンスの肥やしになっている。「衣類が増えすぎたことが、衣替えを重労働にしている」と指摘する。
そうはいっても要不要の見切りは難しい。そこで鈴木さんが提案するのが「使う」という機能面と「好き」という感情面の2つの軸を使った分類法だ(図表参照)。
「使う」に分類する衣類はしっかり収納。「好きではないし使わない」衣類はリサイクルに出すなどして処分する。衣類をしまうタイミングで作業をすると効果的だ。
誰もが悩むのが「好きだけれど使わない」に分類されるもの。「思い出の服は無理に捨てなくていい」と鈴木さん。ただし、それはもう現役の服ではないので衣替えのサイクルから外す。専用箱を作って別の場所で保管しよう。
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衣替えが重労働になっている原因として、収納方法に問題があることも多い。
収納カウンセラーの大森めぐみさんは「どこに何があるのかわからない、ケースが重くて出し入れが面倒→つい服を買ってしまう→衣替えがまた大変になる」という悪循環を指摘する。
衣類のありかがわからないのは、収納場所が「飛び地」になっていることが一因だ。例えばセーターが寝室のタンスにも和室の押し入れにも入っていたら、どんな色柄のものが何枚あるのか、全体を把握するのが難しくなる。