活動量や睡眠時間も 健康情報、無線でスマホ連動
蓄積データもとに助言
「まだ目標に達していないから、散歩に出よう」。18日夕、東京都中央区に住む会社員の時田有加さん(32)は会社から帰った後、自宅周辺を散歩した。時田さんは帰宅時に米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」のアプリを起動し、1日の歩数や消費カロリーを確認するのが日課だ。
1日の目標は1万2000歩。会社で外回りをしたときは帰宅前に達成できるが、帰宅時に目標に満たないと分かると散歩に出る。時田さんが利用するのは、ソフトバンクモバイルが7月に始めたサービス「ソフトバンクヘルスケア」。
睡眠時間や深さも
リストバンド型の活動量計「fitbit flex(フィットビット フレックス)」を腕に取り付け、運動による消費カロリーのほか、睡眠に関するデータを記録してスマホで管理する。活動量計の使用料も含めた利用代金は月額525円。年間を通して、電話で看護師や管理栄養士らに健康相談できるサービスも付く。
活動量計に搭載した加速度などを測るセンサーで、日中は歩いたり走ったりして消費したカロリーを計算する。夜は睡眠時間や眠りの深さを調べる。
活動量計の情報は無線で定期的にスマホに送られる。アプリを起動すれば、歩数や消費カロリー、睡眠時間がグラフで確認できる。食事のメニューから摂取カロリーを検索して、登録することも可能だ。時田さんは「スマホで情報を一元的に管理できるのが便利。健康維持に役立てていきたい」と話す。
ソフトバンクモバイルの門馬可央サービスコンテンツプロデューサーは「スマホを身に付けていないときも情報を記録でき、精度も高い」と強調する。
これまで単独で使ってきた体組成計や体温計、血圧計もスマホと連動する環境が整ってきた。NTTドコモとオムロンがつくったドコモ・ヘルスケアはクラウドで体の情報を管理するサービス「わたしムーヴ」を提供する。主にオムロン製の機器を使って無線でスマホに情報を送る。同社ではこの仕組みをベースに16のサービスを提供し、会員数は計54万人に達する。
そのうちの1つで6月に始まった「カラダのキモチ」は、NTTドコモのスマホ向けのアプリで女性が基礎体温の情報を管理するのに役立つ。専用の体温計を使い、計測値をスマホに記録することで、生理周期を分析し、体調を教えてくれる。
データ分析して助言
月額の利用料は315円。体調に合った食事や運動も指南する、生理不順の疑いがあるときは病院に行くことを勧めるなど、蓄積したデータを分析して助言してくれるのが特徴だ。
カロリーが気になる人にお薦めなのが、NTTレゾナントが提供するアプリ「gooからだログ ヘルスアシスト」。体重や歩行距離、消費カロリーなどを記録できるほか、食事の写真を撮ると自動でカロリーを計算できる。
不動産会社に務める高橋綾さん(仮名、30)は毎日3食分の摂取カロリーを記録するのが4カ月前からの日課だ。1日のカロリー摂取量が多ければ階段を、少なければエスカレーターやエレベーターを使う。高橋さんは「日々のデータをもとに食事や運動量を調節できる」と話す。ヨガ教室に2年間在籍したが参加は不定期で効果は実感できなかった。このアプリを使い始めてからは無理のない小さな積み重ねで1キロ減量した。
毎日持ち歩くスマホを利用した健康管理アプリやサービスは、無理なく生活に取り入れられるのが強み。自分に合ったものを見つけ、生活改善に取り組もう。
(経済部 福岡幸太郎)
[日本経済新聞夕刊2013年9月26日付]
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