月のクレーター、双眼鏡でも鮮明 秋の天体観測入門

2013/9/17

朝・夕刊の「W」

昨年の金環日食、今夏のペルセウス座流星群と話題のイベントが続いたこともあり、天体観測ファンの女性が増加中だ。難しく思えるが、基本を知れば初心者でもいろいろな楽しみ方ができる。秋の夜長を星空と過ごす、天体観測の入門知識をまとめた。

まずは庭やベランダで

大型の望遠鏡を見学(東京都三鷹市の国立天文台)=写真 首藤達広

「天体関連の施設やイベントを調べ、よく出かけます」。8月24日夜、国立天文台(東京都三鷹市)で星を観測する催し「観望会」に参加した東京都内在住の20代女性2人は話した。同日の観測は残念ながら曇天で中止だったが、使うはずだった大型望遠鏡を眺め、「ぜひこれで星を見たい。また来ます」と帰路に就いた。

国立天文台ではこんな女性グループが「ここ数年で目立って増えた」(小野智子広報専門員)。金環日食などで関心を持った人に加え、月や天の川に興味を持つ人もやってくる。小野さんは「『山ガール』などアウトドア派女性が増え、その流れで天体観測を始める例も多い」とみる。

小野さんは「最初は身近なところから。都心でなければ自宅の庭やベランダでも意外に見える」と話す。自宅から行ける距離に天文台があれば「観望会」の予定も調べたい。夜の外出は安全面の配慮が欠かせず、初心者には不安な面もある。自宅や多数が集まる天文台から始める方が無難だ。

街灯、自動販売機が周りにない公園やキャンプ場も候補地になるが、こうした場所はいきなり夜に行くのではなく、日中に安全確認を済ませよう。鋭い傾斜など危険な場所がないか、携帯電話の電波が入るかをチェックする。できれば付近の住民に治安なども聞いておくと安心だ。実際に夜間に訪れるときは複数で行動するのも原則だ。

場所が決まったら、次は装備を整える。必需品は時計、方位磁石、懐中電灯、それに書店で買える星座早見盤だ。天体観測機器メーカーのビクセン(埼玉県所沢市)で女性向けの広報活動を担当する岩城朱香さんは「時計や磁石はスマートフォンで代用せず、アナログのものを」と話す。

星を見るには目を暗さに慣らす。スマホの光を見ると「暗さに慣れた目ももとに戻ってしまう」(岩城さん)。同じ理由から、懐中電灯にも赤いセロハン紙を貼るなど、目への刺激を少なくする工夫が必要だ。

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月、倍率6倍の双眼鏡でも鮮明に