観葉植物で部屋をおしゃれに 上手に選ぶ3つのコツ
場所・サイズ・好み 意識
「手間がかからず、部屋をおしゃれにしてくれる植物はありますか?」。8月下旬、都内在住の会社員、吉川依里さんは母と一緒に園芸店、グリーンギャラリーガーデンズ(東京都八王子市)を訪れた。植物の種、苗、欧州直輸入の鉢や雑貨など、ガーデニングに関する商品が数多く並ぶ。
「置きたい場所はどこですか?」。店長の入谷利幸さんによると、自分の部屋に合う植物を選ぶコツは大きく3つ。「置く場所、サイズ、好み」という。
置く場所は、主に日当たりを考える。植物の種類によって必要な日照時間、直射日光や寒さに対する抵抗力などは異なる。1日中、日が差し込むリビングやダイニングルームなら、ドラセナ・マジナータやエバーフレッシュ、日陰の玄関にはパキラやアジアンタムなどが合うという。
「リビングのテレビの横に置きたいんです」(吉川さん)。配置する空間により、似合うサイズも絞ることができる。テレビの横、キッチンや窓辺なら、作業の邪魔にならない小さな鉢が似合う。ソファの横など広い場所なら、フィカス・ウンベラータなど背が高く、大きな葉の植物が部屋のシンボルとして映える。
購入時にちょうどいい大きさと思っても、植物は日々育つ。将来の成長も考慮して決めよう。
置く場所とサイズが決まったら、あとは部屋の雰囲気をどうしたいかを考える。好みに応じて、ポップで華やかにしたいなら、花があったり、葉に光沢があったりするものを、和室で落ち着いたムードだったら、渋みのある緑のものやミニ盆栽などがおすすめだ。
ビオトープナーセリーズ(東京都港区)の浜麻衣さんによると、葉色、葉の形や花の有無のほか、「鉢でガラリと印象が変わる」。小鳥の置物を添えたり、あえて古びたブリキ缶に植えたりすると、インテリアとして部屋の味わいを深めてくれる。
土の表面乾いたら水
植物を枯らしてしまう理由で多いのが根腐れと水不足だ。どちらも水やりの失敗によるものだ。
入谷さんによれば、水やりの基本は「土の表面がサラサラに乾いてから」。植物が成長する春、高温で乾燥しやすい夏は水切れサインを見逃さないように。秋から冬は吸収が遅くなるため、あまり水を欲しがらなくなる。1週間に何回という定期的なやり方でなく、土の乾きを確認してから「あげるときはたっぷり」(入谷さん)がコツだ。
日陰が得意な植物でも、植物は日光と水で育つものなので、たまには日光浴をさせてあげよう。
室内の観葉植物は、屋外より害虫がつくケースは少ないものの、窓からの侵入や買った時点で既についていることがある。予防には、購入時によく観察することと「葉や枝に霧吹きをこまめにかけること」(浜さん)。比較的多いのがカイガラムシの被害。節に白いべとべとしたものがついたり、葉が黄色くなり急に弱ったりしたら要注意だ。見つけたらすぐにピンセットで取り除く。
こまめに霧吹きをかけたり、葉の表面を拭いたりすることは、葉を生き生きさせる効果もある。表面のホコリを取り除くと植物が光合成と呼吸をしやすくなる。
あまり手間がかからない観葉植物でも、買ったばかりは環境になじめないこともある。季節によって葉や枝の調子も変わる。何かあったら相談できる花屋を見つけておくとよい。一緒に暮らす植物を愛着を持って育てよう。
(佐々木たくみ)
[日経プラスワン2013年9月7日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。