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遺伝子解析、個人向け広がる 自宅でも検査可能 事前説明・情報管理に課題

2013/9/3 日本経済新聞 朝刊

 健康な人の遺伝子を解析して病気のかかりやすさや体質などを調べるサービスが広がり始めている。うまく利用すれば健康管理に役立てられそうだ。ただ、検査の事前説明や不確定な情報の提供などを疑問視する声もある。関係者は無用なトラブルが起きないよう注視しながら、サービス定着の道を探っている。
ヤフーが仲介するジェネシスヘルスケアの遺伝子検査キット

 ヤフーは2012年12月、利用者から直接、遺伝子の解析を受け付ける仲介サービスを始めた。自社のホームページ「Yahoo!ヘルスケア」に、遺伝子解析サービス大手、ジェネシスヘルスケア(東京・渋谷)が開発した検査キットを販売するサイトを設け、毎月300件まで受け付ける。ヤフーメディアサービスカンパニーの高田正行ユニットマネジャーは「健康やダイエットと密接にかかわる有望コンテンツ」と、取り扱いを始めた理由を解説する。

■料金3~5万円

 検査の対象は、遺伝子の配列のわずかな違いが引き起こす、個人の体質や病気のかかりやすさだ。信頼度の高い68の遺伝子を選び出し、疲労しやすいかどうかのほか、アレルギーや鼻炎のなりやすさ、動脈硬化や脳梗塞、糖尿病など生活習慣病にかかる危険性など37項目を調べられる。

 利用者は、届いた検査キットに唾液を入れてジェネシスヘルスケアに返送するだけ。約2カ月後に解析が終了したメールが届き、ジェネシスヘルスケアのホームページに設けられた個人専用サイトで内容を閲覧できる。価格は2万9800円だ。

 高田ユニットマネジャーは、社内でこのサービスを受けた人から「自分の体質を再認識でき、毎日の運動にも意欲が高まった」と声をかけられるという。医師を介さない診断に何かトラブルが起きないか心配したが、今のところ混乱はなく「正しく利用する方法をしっかり広めていきたい」と付け加える。

 大阪大学発のベンチャー企業、サインポスト(大阪市)は全国の100を超える医療機関を通じて生活習慣病にかかわる遺伝子の解析を手掛ける。62の遺伝子を選び出し、各遺伝子のタイプ別に最適な運動と栄養摂取を提案するプログラムを08年から始め、提携する機関が増えた。利用者は検査同意書に署名後、採血。2~3週間後に解析結果が医療機関に届く。料金はサービス内容と機関により3万~5万円と幅がある。

 阪大教授からサインポストに転じた山崎義光社長は「遺伝子を解析して『肥満になりやすい体質です』と知らされるだけでは利用者は満足しない。各遺伝子が起こしやすい症状を分析し、その対策を提案してはじめて納得してもらえる」と話す。今後は対象の遺伝子数を380にまで増やし、更年期障害やアレルギー、関節症などを検査項目に追加するよう検討している。

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