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エコノ探偵団

都バス・地下鉄の終夜運行 経済効果は?

2013/9/3 日本経済新聞 プラスワン

「東京の都バスが12月から終夜運行を始めるそうだ」。神田のご隠居、古石鉄之介がやってきた。探偵の深津明日香は「地下鉄も終電をやめ1日ずっと動かすことも検討しているようだわ。何のためかしら」。事務所を飛び出て調査を始めた。

■都バスは2013年12月から試験運行

「12月から都バスが終夜運行する区間は東京都心部の渋谷駅と六本木駅を結ぶ3キロメートル弱です」。都交通局の西川善宣さん(52)によると、片道15分程度。金曜深夜(土曜午前)の1~5時のあたりで1時間に1本程度を走らせる。

「ずいぶん短いわ」。明日香はけげんな顔。「終夜運行を広げる可能性を探るテストですから。この路線は通常の時間帯でも利用客が多いのが特徴です」。終夜運行は猪瀬直樹都知事の構想。東京の夜をにぎやかにして、経済の活性化につなげる狙いだ。

民間のバスも「対応を検討中です」(東急バス)と、都バスにならって終夜運行を導入する可能性を否定しない。

「地下鉄はどうかな」。都交通局の白石隆一郎さん(47)は「終電後に保守や点検が必要ですから」と、終夜運行に慎重な構え。一方、東京メトロの担当者は「曜日を決めたうえでの終夜運行ならば選択肢にあります」と述べ、“24時間化”に前向きだった。

都、東京メトロ、国は7月、東京の地下鉄の終電時刻を遅くすることを含むサービス向上のための会議を始めた。

「24時間運行はそんなに便利かな」。終夜運行を予定している都バス路線ではいまも午前0時前後に料金が2倍の深夜バスが走る。待っていた会社員男性(37)が答えた。「バスや地下鉄が一日中動くようになれば、いままで寝ていたような時間に外出しようと思うかもしれませんね」

■深夜帯の売上高 外食2割増、小売り5割増を予想

「だから経済の盛り上げにも効果はあります」。野村総合研究所の主席研究員、神尾文彦さん(46)が明日香に話しかけた。バスや地下鉄が一日中動き、東京という都市が24時間活動しているという前提で、都内の外食と小売りの売り上げの伸びを試算した。

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