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健康づくり

家庭血圧の正しい測り方 毎朝、起床後1時間内に できれば職場でも

2013/8/27 日本経済新聞 朝刊

血圧は健康状態を知るバロメーターだ。血圧が高いと生活習慣病のリスクが上昇し、心臓や脳、腎臓などの病気を招く。医療現場では、家庭で測る毎日の血圧値を重視する姿勢が強まりつつある。正しい血圧の知識や測り方を身につけ、暮らしに生かしたい。

血圧とは心臓から送り出す血液の流れで血管が内部から押される圧力のこと。心臓が収縮するときが上の血圧、拡張するときが下の血圧だ。常に変動しており、冬高く夏低いというように季節でも変わる。高血圧の基準は家庭で測る「家庭血圧」でみると、上の値が135ミリメートルHg、下が85ミリメートルHg以上。国内患者は約4000万人ともいわれる。

高血圧だと脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、心筋梗塞や冠状動脈硬化といった心臓病、腎臓病、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こす。また、腎臓などの病気にかかって高血圧になるケースもある。

生活習慣病には糖尿病や脂質異常症などの要因もある。東京都健康長寿医療センターの桑島巌顧問は「これらの要因のうち、脳には高血圧が最も影響する。心臓では脂質異常症と高血圧が同程度。腎臓病では糖尿病に続いて高血圧が危険因子だ」と指摘する。

■基本は毎日朝晩

健康管理の基本は毎日、朝と夜寝る前に血圧を測って記録する。忙しくても朝の1回は忘れないようにしたい。起床後1時間以内で食事や服薬の前に測る。患者だけでなく健康でも40代後半になったら実践しよう。高い数値が気になり、何度も測る「不安症」になる人もいるようだが、測るのは朝夜それぞれ2回までにする。

桑島顧問は「できれば職場でも毎日1回測ってほしい」と呼びかける。家庭では正常でも職場で血圧が上がる「職場高血圧」の人がいるからだ。仕事中だけでも高ければ血管などに負担がかかってしまう。

日本には血圧計が4000万台あるといわれ、家庭などで使う血圧計にはいくつかのタイプがある。どれもきちんと測れば十分な精度だが、正しく付けたり測る際の姿勢を保ったりする難しさに差がある。

初心者には上腕式がおすすめ。学会が推奨するのもこの方式だ。腕に帯(カフ)を巻くタイプが多いが、腕を通す全自動タイプは腕帯を巻く動作が大変な高齢者向き。ただ前かがみになりやすいので姿勢に注意する。手首式は持ち運びやすく出張先などで便利だ。精度が心配なときは医師に相談しよう。

一般的な上腕式の測り方のポイントは椅子に座り、肘を台の上にのせて、突っ張らない。腕帯は心臓と同じ高さに付ける。腕帯は指1本入る程度まできちんと締める。ゆるいと値が高く出てしまう。前かがみになると腹圧で上がるので注意したい。

家庭と医療機関では測定値に差が生じる場合がある。病院を訪れた際、緊張によって高く出る「白衣高血圧」がある一方、病院では正常値でも家庭で高い「仮面高血圧」もある。東北大学の今井潤教授は「仮面高血圧は見落としがちで特に注意がいる。家庭できちんと測ってほしい」と訴える。

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