また、冷房で涼しい室内と真夏の屋外を何度も行き来すれば体温を調整する自律神経の働きが悪くなり、冷えにつながる。体の代謝を悪化させて肥満を招く要因にもなるという。アルコールは高カロリーで、食欲を増進させる。

夏太り解消にはどうすればよいか。まずは食習慣の改善だ。食べすぎはやめ、バランスのよい食事をとるよう心がけよう。食堂では定食などを注文すれば、バランスを比較的整えやすい。麺類は野菜や海藻などと一緒に食べる。ゆっくりかむことも大切だ。

■食べる順序も重要

食べる順序も注意したい。いきなり炭水化物をとるのではなく、まず野菜などの副菜を食べてから肉や魚に進み、最後にご飯や麺類の主食を食べるとよい。食物繊維が含まれる野菜を最初に食べておくと、血糖値の急激な上昇やインスリンの過剰な分泌が減らせるという。朝食には牛乳がおすすめ。ビタミンB1や脂質の代謝などを促すビタミンB2が含まれる。

水分摂取でも気をつけるポイントがある。熱中症を防ぐにはこまめに水分をとることが重要だが、糖分が多いスポーツ飲料などの飲みすぎは肥満につながる。栗原院長によると、甘い飲料は冷やすとあまり甘みを感じなくなり、多く飲んでしまうという。

冷たい飲料を一気に飲むと胃壁の血管が冷える。すると代謝が低下して全身の余分な脂肪を燃焼しづらくなる。胃袋が冷えると自律神経の働きが乱れて血液の流れが悪化。胃壁を保温するため周囲に脂肪が集まるが、「結果としておなかがポッコリ出てしまう」(栗原院長)。冷たいものばかりでなく、温かいお茶などをとるといった工夫をしよう。

基礎代謝を上げるには運動するとよい。浅尾助教は「筋肉量を増やすことが大切」と話す。早朝のウオーキングや水泳など適度な運動で筋肉をつける。運動する習慣を身につけておけば、暑さに強くなる。規則正しい生活を送るのも健康づくりには必要だ。夏太り対策は夏バテへの対処にもつながるという。

(山本優)

ひとくちガイド
インターネット
◆健康的な食習慣などを学ぶには
 厚生労働省「e-ヘルスネット」(http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/)

◆肥満にならないための朝食とは
 「女子栄養大学あさおたかこ先生の一生太らない朝ごはん」(浅尾貴子著、マキノ出版)

[日本経済新聞朝刊2013年8月18日付]

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