マスキングテープで手作りアルバム 額縁や立体物も
ちぎって貼り、手作り感
旅行が趣味の吉田有紀さん(38)は、最近、デジカメで撮影した旅先の写真をプリントして、旅行ごとに1冊のスクラップブックに収めている。カラフルなテープを使い、きれいにまとめたアルバムは「作るのも楽しい」。今では旅行後のアルバム作りも、趣味の1つになっているという。
デジカメが普及して写真はプリントしなくても楽しめるようになった。データで保存すれば場所も取らない。だが最近、わざわざプリントして楽しむ女性が増えている。
ビックカメラは2010年からスクラップブックなど、写真をプリントして楽しむための用品を扱う専門コーナー「BIC PHOTO」を展開している。
12年に開店したビックロ ビックカメラ新宿東口店では系列店最大のスペースを使い数多くの用品をそろえた。担当の谷井千尋さんによると「圧倒的に女性客が多い」。写真をアルバムに貼り、テープやシールなどで飾り付けて楽しんでいる。
彼女たちはどんな目的でプリントを飾り、アルバムを作るのか。
吉田さんのように自分の旅の記録をスクラップブックにまとめている人は多い。スクラップブックを使えば、写真だけでなく、チケットや店のレシートといった思い出の品も一緒に貼ることができる。「動物」「料理」「小物」など、自分の好きなテーマを1冊にまとめたり、気に入った写真を飾り付けて壁に飾ったりする人もいるそうだ。
谷井さんによると「プレゼントのために作る人も多い」。結婚式の写真を大きくプリントして、きれいに飾り付けて新婦へのプレゼントにする。写真をテープで貼り、お祝いを手書きで書く。そんな手作り感覚が贈る側にも贈られる側にも喜ばれている。
手作りの雰囲気を出すときに欠かせないのがマスキングテープだ。もともとは建築現場や車を塗装するときに使われていたが「手でちぎれる」「貼った後にきれいにはがせる」「字が書ける」などの特徴があり「10年ごろから雑貨としてブームになってきた」(文具メーカー、マークスの片岡優美さん)。
店頭には数え切れないほどの色と柄のテープが並ぶ。テープを手でちぎって、スクラップブックへ写真を貼り付けることで、デジタルにはない、手作り感にあふれたアルバムができあがる。
写真の四方囲み「額縁」
マスキングテープで楽しいスクラップブックを作るにはどうすればいいか。「マスキングテープ・ブック」(エディシォン・ドゥ・パリ発行)を企画した松田みゆきさんに基本的なテクニックを教えてもらった。
まずは「写真を囲む」。写真の四辺にテープを貼ると額縁のようになり写真が引き立つ。
2つめは「写真の下に貼る」。スクラップブックにマスキングテープを貼り、その上に複数の写真を置けば簡単にグループ分けができる。
3つめは「立体物を作る」。図にフラッグ(旗)の作り方を示した。写真に立体物を組み合わせることで、手作り感は強くなる。上級者にはフリルや造花を作る人もいるそうだ。
マスキングテープの使い方を覚えたら、次はアルバム選び。店頭には様々なデザイン・色のアルバムや台紙が並ぶ。
「いろいろなものを貼っていくと、アルバムがぱんぱんに膨らんでいく。それも楽しい」と松田さんは話す。夏の思い出でいっぱいに膨らんだアルバム作りに挑戦してみよう。
(編集委員 大谷真幸)
[日経プラスワン2013年8月10日付]
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