光線過敏症は飲み薬や貼り薬が原因になる「外因性」と、体内の異常で起きる「内因性」に分けられる。誰もが発症するわけではなく、遺伝子との関連が考えられているが、詳しくは分かっていない。
外因性の病気のうち最多とされるのが薬剤性光線過敏症だ。薬を飲んだり注射をしたりした時に、顔や耳、腕や手の甲などにかゆみを伴う赤い斑点や発疹が出る。一部の抗菌薬や鎮痛薬、降圧剤が原因だ。薬の成分が皮膚に届き、波長が320~400ナノ(ナノは10億分の1)メートルの長波長紫外線が当たると、炎症が起きる。
原因となる薬の服用をやめたり他の薬に切り替えたりすれば、2~3日後には治ることが多い。ただ「症状を1~2年間放置すると慢性化し、薬をやめても治りにくくなる」(関西医科大学の岡本祐之教授)ため注意が必要だ。アトピー性皮膚炎など他の病気と紛らわしいこともある。薬を処方する内科医が光線過敏症に詳しくない場合もあるため、光が当たった肌に症状が出たら皮膚科を受診するといい。
同じ外因性でも光接触皮膚炎は治るまでに時間がかかる。
例えば湿布薬の抗炎症成分のケトプロフェンが皮膚に残ると、長波長紫外線が当たったときに起きる。湿布をはがしても成分が約1カ月間残り、洗い流しても落ちないので、外出時には患部を衣服やサンスクリーン剤と呼ばれる防護剤で遮光する必要がある。湿布薬には「貼ったところを日光にあてないでください」などの注意書きがあり、よく読んで使うことが大切だ。
こうした外因性の病気とは異なり、体内の代謝の異常や遺伝が原因で起きるとされる内因性の病気は、直接の原因が分からないことが多い。患者数は少なめだが治療が難しく、遮光に気を使う対処策が重要だ。