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「熱い湯に長く」はNG 夏の正しい入浴法 十分に水分補給を

2013/7/30 日本経済新聞 朝刊

■冷房で発汗力弱く

 発汗のメカニズムに詳しい椙山女学園大学の菅屋潤壹教授は「冷房の利いた室内に長くいると、年齢や性別にかかわらず汗を出す汗腺の働きが弱まってしまう恐れがある」と話す。こうしたケースでは、入浴時に熱中症や脱水症状になる危険性が増すという。

 では、どんな点に気をつけて入浴すればよいのか。38度以下のぬるめの湯に10~15分つかるのがお勧めだと専門家は指摘する。副交感神経などの働きでリラックスできる。

 特に、みぞおちあたりまでつかる半身浴で20~30分入るのが効果的だという。東京ガス都市生活研究所の藤村寛子主任研究員は「肩までつかる全身浴と比べ、体への負担が少ない」と話す。熱めの湯が好きな人は、さっとつかる程度にしよう。

 ぬるめの湯で半身浴を実践すれば、体温調節機能の向上にもつながる。健康な人は体温上昇に合わせて汗も少しずつ出るが、高齢になると、汗をかく機能が衰えてしまう。

 そこで体を暑さに少しずつ順応させれば、上手に汗をかけるようになる。「暑熱順化」と呼ぶ方法で、「皮膚の血流量が増えやすく、汗をかいて効率よく体温を下げられるようになる」(菅屋教授)。発汗機能を高めるにはウオーキングなどの軽い運動が有効だが、ぬるめの湯につかり汗を出すことでもある程度の効果が見込めるという。

 入浴時の注意点も忘れないようにしよう。最も大切なのが水分補給だ。藤村主任研究員は「入浴の前後に水分をとれば、脱水症状などリスクを下げられる」と訴える。また、浴槽から出る際はすぐに立ち上がらないようにする。

 もし意識が薄れるなど危ないと思ったら「すぐに浴槽の栓を抜いて水を抜く。立ちくらみが出たらしゃがむ」(有賀院長)。こうすれば事故予防につながる。食後にすぐ風呂に入ると血圧が変化しやすいので、なるべく避ける。

 正しい入浴法を心がけて心身を癒やし、夏を乗り切る力にしよう。

(高田倫志)

ひとくちガイド
《ホームページ》
◆快適に入浴する方法を紹介
 東京ガス都市生活研究所の風呂文化研究会(http://www.toshiken.com/bath/)
◆高齢者の入浴の注意点を解説
 長寿科学振興財団の健康長寿ネット「入浴事故」(http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000600/hpg000000548.htm)

[日本経済新聞朝刊2013年7月28日付]

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