病院の不快な臭い改善へ 空気清浄機の導入広がる

かつて「独特の臭い」が漂っていた病院の環境が大きく変わってきた。消毒液などの薬剤や汚物、治療に伴う臭気などを強力に取り除く機器が導入され、がんの専門病院は、一部のがん患者が発する「病臭」の対策を進める。「不快な臭いのない病院は、清潔さの証し」との指摘もあり、患者の病院選びの判断材料になりそうだ。
空気清浄機(左下)が汚物処理室の臭いを低減(長野県松本市の相沢病院)

「悩みの種だったトイレや汚物処理室の臭いを特殊セラミックスを使った空気清浄機で解決できた」。相沢病院(長野県松本市)の塚本建三常務理事が語る。

■汚物処理室に効果

特に、臭いがひどかったのは、骨折の高齢患者が多数入院している整形外科病棟の汚物処理室。持ち込むおむつの量が多く、便や尿の臭いが廊下や病室に漏れて苦情が絶えなかった。2006年、殺菌材料開発の信州セラミックス(長野県大桑村)製の空気清浄機を試しに使ったら消臭効果があったため、翌年全病棟の汚物処理室に導入。現在は院内で計約60台を稼働させ、患者に不快な思いをさせることもなくなった。フィルターが酸化チタンと銀、ハイドロキシアパタイトの複合材料でできており、便などの生物由来の臭いの除去に向いている。

「泌尿器科の処置室で尿道に炎症を起こした患者に尿と膿(うみ)を出す処置をするが、膿と尿が混じった独特の臭いが待合室にも流れることがあった。救急部門には、意識を失って失禁したり、吐瀉(としゃ)物が衣服についた状態で搬入される患者もいる。空気清浄機が、異臭を大幅に抑えている」と栗田敬子感染対策室長は話す。

■薬剤の臭いも課題

薬剤の臭いをなくすのも病院の大きな課題だった。代表的なのが、組織や臓器を保存するために使われるホルマリンだ。

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