2013/7/16

舞台・演劇

「四谷怪談」も染五郎の伊右衛門、菊之助のお岩、松緑の直助がそれぞれの仁(にん)を生かし、役を的確に演じつつも現代の感覚でよみがえらせているのがいい。父や祖父たちの世代にはなかった「現代の四谷怪談」になっている。

染五郎は「隠亡堀」の有名なセリフ「首が飛んでも動いてみせるわ」を精いっぱい強く言うことによって、持ち味である二枚目風との振幅を大きくした。松緑もセリフの語尾が消える難はあるものの仁を生かして好演。菊之助は美しく可憐(かれん)さを秘めたお岩、与茂七の和事味。梅枝のお袖、市蔵の宅悦も良く、次には彼らの手で「三角屋敷」復活を期待する。錦吾と団蔵が老巧。小三山が半世紀来の持ち役で健在。28日まで。

(演劇評論家 上村 以和於)





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