広がる薬のネット販売 飲み方・使い方を再確認

一般用医薬品をインターネットで購入するための制度づくりが進んでいる。消費者にとっては購入の選択肢が広がるが、同時に、これまで以上に正しいくすりの知識が求められそうだ。くすりを有効かつ安全に使うための基礎知識をまとめた。

くすりは、病院で処方される医療用医薬品と、地域の薬局などで購入できる一般用医薬品(OTC)に分けられる。インターネット販売の対象となる一般用医薬品は、販売時に薬剤師による情報提供が必要な第一類医薬品、薬剤師または登録販売者が常駐する店舗のみで販売のできる第二類医薬品、購入者から直接希望がない限り商品説明の義務がない第三類医薬品に分けられる。

日本薬剤師会の常務理事、近藤剛弘さんは「第一類医薬品がよく効くくすりで、第三類医薬品が効き目の弱いくすりであるとはいえない。症状によっては第三類医薬品が適切なことも多い。使用法を誤ったり体質に合わないくすりによって重い副作用が現れる可能性は、あらゆる医薬品にある」と話す。

■副作用を念頭に

例えば近年、これまで医療用として使われてきた成分を一般用に用いた「スイッチOTC薬」が次々と承認されている。最近では解熱鎮痛剤、花粉症治療用のアレルギー性鼻炎薬などが登場した。

こうしたスイッチOTC薬が、全ての人にとって必ずしも最適なわけではない。近藤さんは「他の一般用医薬品も含めて、症状による使い分けが必要になる。くすりを購入するときは、症状を細かく伝えるなど、薬剤師に相談してほしい」と話す。

医薬情報を提供するエス・アイ・シー(東京都八王子市)の取締役で薬剤師の堀美智子さんは「新薬が開発されるなか、くすりの使い方に注意が必要な製品も増えてきた」と話す。

医療用を含め、くすりの使い方を間違って効果が得られなかったり、思わぬ副作用が出たりすることもある。くすりが飲みにくいといって錠剤を割ったり、カプセルから中身を出したりする人がいるが、必ず事前に薬剤師に問い合わせることが大切だ。「ゆっくり時間をかけて吸収されるように工夫された錠剤や、腸内で溶けて作用する錠剤などが開発されている」(堀さん)からだ。例えば、体内で狭心症や脳梗塞の原因となる血栓ができるのを予防するために処方されるアスピリンの腸溶錠には、胃で溶けず腸でゆっくり吸収されることで血栓予防作用が高まるという効果がある。

くすりが飲み込めない、のどにはりつく感じがあるといったときは「市販の服薬補助ゼリーを使う方法や、1錠ずつオブラートで包みコップの水にひたしてから水と一緒に飲み込む方法がある」(堀さん)。

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