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15年間ほぼ横ばい 女性の家事時間なぜ減らない

2013/7/9 日本経済新聞 プラスワン

「日本人の間では家事を他人に任せることへの抵抗感がありましたが、徐々に意識が変化しています。これからは経済学の“機会費用”の考え方が当てはまる世界になると思います」。事務所に入ってきたJMR生活総合研究所社長の松田久一さん(56)が説明を始めた。機会費用とは、ある活動をすることによって放棄しなければならない利益のこと。専業主婦が自分で家事をすると収入は得られない。働きに出れば収入が得られる半面、家事代行サービスを利用すると料金がかかる。

■分担への意識改革 大切

「家事代行サービスの認知度が上がってくれば、働いて得られる収入と利用料金を比べ、収入が高い傾向にある都市部を中心に利用する人がさらに増えるでしょう」

「ちょっと待ってください」。勢いよく事務所に飛び込んできたのは自民党・女性活力特別委員会の委員長を務める衆議院議員の上川陽子さん(60)。「女性が輝く社会の実現には、男性が家事や育児にもっと参加すべきです。女性の家事時間が減らない大きな原因は男性の姿勢にあります」と強調した。政府の調査によると家事に全く関与しない男性が7割に達する。「学校教育や企業の労務管理、社会保障制度などを、男性に家事への参加を促す仕組みに思い切って変えないと女性に負担が偏ったままです」

「その通り。男性の意識改革が大切ですね」と上川さんに賛同するのは、住友生命保険の阿久津清子さん(33)。生保業界では女性職員が多いこともあって、産休後に復帰しやすい制度づくりが進んでいる。阿久津さんは夫婦共働き。出産前は夫の帰宅時間が遅いことも多く、ほとんど家事を自分でこなしていたが、「出産を機に夫の態度がガラリと変わりました。現在は家事の6割は夫が分担しています」。住友生命には育児のために1時間早く帰宅できる制度があり、育児と仕事の両立に役立っているという。

「所長、これから一緒に事務所を掃除しましょう」とほうきを手に取った章司に「掃除は私がやっておくから、君は報告書を完成させなさい」と一言。

(編集委員 前田裕之)

[日経プラスワン2013年7月6日付]

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