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15年間ほぼ横ばい 女性の家事時間なぜ減らない

2013/7/9 日本経済新聞 プラスワン

 「家事には時間がかかるわね」。事務所を訪れた主婦の悩みを聞いた探偵、松田章司は「この15年間、ほぼ横ばいという話を聞いたことがあるぞ」とつぶやいた。「便利な家電製品が増えているのになぜかな」。早速、調査に乗り出した。

■健康のために一手間

 まず訪問したのは総務省統計局(東京都新宿区)。高野義幸さん(39)が示したのは、日本人(10歳以上)の1日24時間の使い方を総務省が調べたデータ。炊事、掃除、洗濯などにかける時間は2011年平均で1人当たり1時間27分。同じ条件で調査を始めた1996年時点では1時間26分だった。男女別にみると、11年は女性2時間32分、男性18分、96年は女性2時間37分、男性10分。「女性が家事の大半を担う状態が続いています。20~40代の女性では食器洗い機、自動掃除機(掃除ロボット)などを活用する人も多いのですが、大幅な時間短縮は難しいようです」

 次に向かったのは日本能率協会総合研究所(東京都千代田区)。20~70歳代の主婦を対象に「家事スタイルに関する調査」を定期的に実施している。担当の土井晴子さんは「30~40代の主婦の間では、家事を仕方なくやる感覚が年々強まっています。システムキッチンなど住宅や家電製品は高機能化していますが、全体では時短効果は限られます。戦後、洗濯機や掃除機などが急速に普及して家事が簡単になったときほどの影響はないようです」と解説した。

 内閣府の調査資料に当たると、冷蔵庫、洗濯機、掃除機はいずれも70年代に普及率が95%を超えた。「80年代後半に登場した自動製パン機などは家庭でできる調理の幅を広げ、家事時間を増やす原因になっています」と土井さん。

 例えばシャープが昨年発売した低速度ジューサー「ジュースプレッソ」は食材をゆっくりと押しつぶす新方式がヒット要因になっている。「健康のために毎朝、生ジュースを飲みたいという若い女性や、液状にした方が野菜を摂取しやすいと考えるシニア層ら幅広い人々の間で人気です」。調理器の商品企画を担当する川村有里さん(30)は、高速回転で水分を絞り出す従来の製品とは全く発想が異なる製品と説明する。

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