名店シェフ直伝 オムライスをきれいに作るコツ

淡い黄色の卵でケチャップライスを包んだ日本生まれの洋食、オムライス。冷蔵庫によくある材料でごちそうになるので、一人暮らしの記者の定番メニューになっている。でも卵が破れたり、ご飯がべたっとしたり、失敗も多い。洋食の名店のように上手に作るには、どうすればよいのか。専門家に習い、特訓することにした。

まずは老舗洋食店、日本橋たいめいけん(東京都中央区)に向かった。ライス上のオムレツをナイフで開くと半熟卵がとろけ出す看板メニュー「タンポポオムライス」を自宅で作れるようになりたい。

■卵液流し込み、1分間が勝負

創業家の三代目、茂出木浩司シェフが教えてくれた。オムレツの材料は卵4個。牛乳も生クリームも入れない。「最初に卵をホイッパーでしっかりかき混ぜること」(茂出木さん)がコツ。色むらや焦げ目のないオムレツに仕上がるための第一歩だ。

熱したフライパンにバターをひき、卵液を一気に流し込み、ジュワッという音がしたら、ここから1分が勝負。茂出木さんはフライパンの外側から中央に向かって菜箸を素早くまわし、半熟ほどに固まったら卵を手前からフライパンの向こう側へ折り畳む。フライパンの柄をトントンと軽くたたきながら卵を回転させ、ライスの上に乗せた。「ね、簡単でしょう?」

確かに、意外と簡単そうだ。記者も厨房で焼かせてもらった。卵液を入れて、箸でくるくる、右手で柄をトントン……。だが出来上がったのは別物だった。形がいびつで、厚焼き卵のように固まっている。通りかかったお弟子さんがとっさに「うわっ、まずそうっ」とつぶやいた。

最初からタンポポオムライスに挑むのはハードルが高すぎたかも。基本を習うためホテルニューオータニ(東京都千代田区)に向かった。レストラン「SATSUKI」のオムライスは薄焼き卵でケチャップライスを包んだ正統派。山高のラグビーボール型だ。

西洋料理の太田高広副料理長に、卵が上手に焼けないと相談すると「急いで焼こうとしないこと。形がおかしくなりそうになったら火から離すこと」がポイントだと教えてくれた。

早速、見せてもらう。卵は2個半。よく混ぜ、こし器でこし、隠し味にみりんと黒糖を少々。フライパンにバターをひき、卵を一気に流して、フライパンを揺り動かしながら菜箸で素早くかき混ぜる。半熟卵の真ん中にライスを乗せ、柄を右手でたたきながら約40秒できれいに包みあがった。

シェフのように素早く焼くのは難しい。家庭でのコツは「卵を10秒ほどかき混ぜたら、火から離す」(太田さん)。卵は65度ほどで固まる性質があるため、余熱でも火が通る。

実際にやってみると、卵の下が薄く固まり、上は半熟の状態になった。

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