■塩水で退治

吸血される場所で最も多いのが足で約半数を占める。次いで手や首、頭部だ。吸われた後には猛烈なかゆみが出やすい。そのかゆみが1カ月近く続くことも多いという。まれに発熱やめまいを訴えるケースもある。また全身にじんましんのような斑点ができ、発熱も加わって入院した女性の報告例もある。

では山歩きなどをする際、どうやってヤマビルの被害を避けるか。神奈川県県央地域県政総合センター(厚木市)が作成した対策マニュアルなどによると、服装に気を付け、ヤマビルの侵入経路を塞ぐことが大切だという。

具体的には、長靴や地下足袋などを履き、サンダルや運動靴などはできるだけ避ける。靴下も長くて生地が細かいタイプがよい。長ズボンのすそを靴下の中に入れ、上着も長袖を選んですそをズボンの中に入れる。ボタンが付いたシャツは避ける。隙間からヤマビルが入ってくることもあるからだ。

首の対策も怠らない。ヤマビルはナメクジと同じく塩に弱い。首や肩周りに濃度20%程度の塩水を含ませたタオルを巻いておこう。市販の忌避剤を靴や衣類に塗る方法も推奨されている。

吸血された場合は、吸盤に向かって爪でそぐようにして皮膚からヤマビルを取り除き、塩水や消毒用エタノールなどをかけて殺す。そして傷口をつまんでヒルジンを搾り出し、消毒用エタノールや水で洗う。ばんそうこうを貼って血が流れるのを抑えよう。

抗ヒスタミン剤などのかゆみ止めの軟こうを患部に塗ればかゆみも抑えられる。ハチに刺された時に使用するアンモニアを含む薬は、「かえって症状を悪化させるので使わない」(谷主任研究員)。

こうした対策を講じても症状が続き、発疹や熱などが治まらない場合は、皮膚科などを受診するとよいだろう。

(川口健史)

ひとくちガイド
《ホームページ》
◆ヤマビルの生態などを知るには
 「ヤマビル研究会」(http://www.tele.co.jp/ui/leech/)
◆ヤマビルの被害を防ぐ方法や吸血時の対処法などを紹介
 神奈川県「ヤマビルにご注意を!」(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f986/p10106.html)

[日本経済新聞朝刊2013年6月30日付]