「機内モード」も活用 スマホ電池、長持ちさせる術
スマホ購入時のパンフレットを見ると、連続待受時間が400時間、連続通話時間が720分など、ずいぶん長時間利用できるように書いてある。400時間は16日間、720分は12時間。長電話をしないなら1週間くらい充電しなくてよさそうに思えるが、実際はそうもいかない。ほとんど通話をしなくても電池は減っていく。スマホは通話以外の通信サービスで電池を消費しているからだ。
携帯電話会社によっては「実使用時間は約45時間」といった表示をしていることもある。2日間くらいはもつ計算になるが、それでも実感に合わない人も多いはずだ。
どうしてなのだろうか。理由の一つは利用者が気付いていない通信動作だ。例えば広告通信。無料アプリケーションのゲームなどはたいていの場合、無料の代わりに、画面に広告を表示する。広告は毎回スマホが通信をして表示するため、そのつど少しずつだが電池を減らしている。
「同期設定」も似ている。電子メールをいつでも受信できるようにする同期設定は、受信確認のために数分おきにこっそり通信している。SNS(交流サイト)のアプリや天気予報などの表示アプリにも同じような同期の仕組みがあり、バッグに入れた状態でもこまめに通信している。
仕事中、数時間、最新情報を見ないなら、同期設定のための通信は不要だ。アプリごとに設定を見直し、同期機能をオフにし、必要なときに情報を受信すると電池の減りが遅くなる。
ほかにも人によっては無駄な通信機能がある。全地球測位システム(GPS)は地図で現在位置を確認するとき以外は不要だし、別の機器との接続通信に使うブルートゥースの機能も使わないならオフでよい。無線LANのWi-Fi(ワイファイ)も使わないときはオフにしよう。
こうした機能をオフにする設定は意外に難しいこともあるので、わからないときは購入した店舗やスマホメーカーなどに相談しよう。
簡単で便利な電池節約術もある。代表的なのが、通信をまとめて一時的にオフにする「機内モード」の活用だ。
機内モードは本来、飛行機に乗っている際、飛行機の精密機器に悪影響がないようスマホの通信機能をオフにするものだ。これは電池の節約のためにも利用できる。
仕事中や睡眠中など、電話の待ち受けもしないし電子メールも受信しないときは、機内モードで十分だ。アンドロイドのスマホであればたいてい、電源ボタンを長押しすると機内モードが選べる。機内モードになると、表示画面の上に飛行機のマークがつく。解除も同じ操作だ。
このほか電池を長持ちさせるには、画面の輝度を落とす、バイブレーションを切るなど使わない機能をオフにする、などの方法が簡単だ。こうした機能をまとめた「エコ設定」がスマホ内に用意されているなら活用したい。電池を節約する専用アプリもあるが、設定が難しいタイプだと予想外の影響もあるので、利用する際は十分に注意したい。
内蔵バッテリーは経年劣化で、電池のもちが悪くなる。暑い日にはバッテリーが熱を持って劣化が進む。バッテリーは2年程度使って、劣化を感じるようなら交換したほうがよい。
長時間スマホを使う人なら、電池の減りを気にするより、外部から接続して使う電池として、モバイル・バッテリーの購入を検討してもいいだろう。利用機種に合った製品は、販売店で相談できる。
(テクニカルライター 佐藤 信正)
[日経プラスワン2013年6月29日付]
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