熱中症にご用心 年齢で違う「発症しやすい場所」「暑さ指数」活用を

各地で蒸し暑い日が続く中、熱中症で病院に運ばれる人も増えている。体温が上昇してめまいや体のだるさ、意識障害などをもたらす。熱中症のピークは毎年7~8月で、特に梅雨が明けて急に暑くなる日や猛暑日が危ない。国も今年から7月を「熱中症予防強化月間」と決め、注意を呼びかけている。

「ここ数年で2度熱中症にかかった。頭が痛くなり、2回とも点滴を打った」。石原伸晃環境相は6月7日、記者会見でこう答えた。環境省は熱中症に関係する6省庁連絡会議の事務局を担っており、トップが自らの経験を語り、注意を喚起した。

■2010年に1731人が死亡

熱中症は高温多湿な環境で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく働かなくなったりして発症する。体温が上がり、めまいや大量の汗、頭痛、吐き気、体のだるさなどを引き起こす。重症だと呼びかけても反応がおかしかったり、けいれんを起こしたりして死亡するケースもある。

総務省消防庁によると、今年は全国で2430人(速報値)が16日までに救急搬送された。これは年間搬送者が4万6千人に達した昨年の同時期(966人)を大幅に上回る。昭和大学病院(東京・品川)の三宅康史救命救急センター長は「空梅雨で暑くて湿度が高い。日照時間が長いなかで暑さ慣れができていないのが原因」と分析する。厚生労働省の調べでは、死者は昨年が720人、記録的な猛暑だった2010年は1731人になるなど、毎年多い。

今年の搬送者を都道府県別にみると大阪がトップだが、北海道から沖縄まで全国に及ぶ。患者の約半数は65歳以上。高齢者は暑さや水分不足に対する感覚が若い人より低く、体の調節機能が低下しているためだ。

ただ18~65歳未満も約3分の1を占め、小中高校生や体温調節機能が未発達な乳幼児でもかかる例がある。国立環境研究所の小野雅司フェローは「年齢ごとにかかりやすい状況が異なる。高齢者は家庭で、成人は仕事などの作業中、若者は運動している時、乳幼児は車内で発症しやすい」と解説する。

熱中症を予防するには暑さを避けることが大切だ。気象庁は昨年から全国を対象に、当日もしくは翌日の最高気温がセ氏35度以上になりそうな場合、「高温注意情報」を発表し熱中症への警戒を呼びかけている。

ただ、気温がそれほど高くなくとも湿度が高いと熱中症の危険性は高まる。「湿度が10%上がれば体感温度は1.3~1.4度は上昇する。同じように気温が推移しても湿度が違えば救急搬送者数はかなり変わる」(小野フェロー)ためだ。

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント