ぽっこりお腹の引き締め、アプリがお助け
通勤中や仕事の合間に
「夏までにあと5センチメートル、ウエストを引き締めたい」――。夏の水着の季節を前に、こんな焦りを感じ始めている人もいるのではないか。体重を落とすのも一苦労だが、なかなか手ごわいのが"ぽっこりおなか"のサイズダウンだ。そんな悩みの解決を手助けするスマートフォン(スマホ)用のアプリ(応用ソフト)が注目を集めている。いつも手元にあるスマホを使い、通勤や仕事の合間にシェイプアップにいそしむ利用者がじわじわと増えている。
「これならいつでもどこでも楽しく『ドローイン』ができる。いろんなダイエット法を試みたが、今のところこれがいちばん続いている」。東京都内の会社員、岡田文昭さん(仮名、44)がはまっているのが、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」向けアプリ「お腹痩せドローイン」だ。この春から始めて「ウエストが3センチメートル引っ込んだ」と喜ぶ。
「ドローイン」人気
ドローインは英語で「内側に引く」という意味の動作だ。きついズボンをはくような感じでおなかをへこませ、その状態を30秒程度保つ。これにより内臓を支える腹横筋が鍛えられ、腹囲減少に役立つとされる。1日20~30回ずつ取り組んだ結果、腹囲が4~5センチメートル減ったという体験談も珍しくない。
「お腹痩せドローイン」はドローインの手法を図解で解説しながら、適切な方法で実行するためのアドバイスをする。スマホでアプリを起動してメニューを選択すると、推奨するドローインの手法の説明画面が出てくる。次のタイマー画面でスタート・ボタンを押すと、息を吸ったり吐いたりしながらおなかをへこませる動作が指示される。シンプルなアニメーション画面だが、スマホ画面を見ながら実行すると、不思議とやる気が湧いてくる。価格は85円。
ドローインのメリットは、その涙ぐましい努力が他人にばれにくいことだ。通勤電車で立ったままでも、オフィスで椅子に座りながらでも、周囲に気づかれずに頑張ることができる。
米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載するスマホ向けアプリで人気なのが「ドローイン!」だ。忙しさに紛れてつい忘れがちになるのを防ぎ、習慣化を促す機能を盛り込んだのが特徴で、価格は無料だ。
スマホを立ち上げると自動的にアプリが起動し、30秒間のドローインのカウントダウンが始まる。スマホを使うたびにいやでもドローインのことを思い出すので、1日にできるだけ多くの回数をこなしたい利用者にはお助けツールとなる。
SNSで互いに刺激
「オフィスでこっそりのレベルではなく、本格的におなかをへこませたい」というユーザーに注目されているのが、学研パブリッシングが提供するアプリ「樫木式・カーヴィーダンスで即やせる!」だ。
販売部数が累計200万部以上の大ヒットとなった樫木裕実氏の著書「樫木式カーヴィーダンス」をアプリにしたものだ。樫木氏の解説付き動画を収録しており、スマホで動画を見ながら体を動かすことができる。エクササイズの記録機能や、体重やウエストサイズをグラフで管理する機能、さらにミニブログ「ツイッター」や交流サイト「フェイスブック」を使って仲間と交流できる機能も搭載している。仲間の頑張りは大きな刺激となる。「スマホとアプリの特性を生かして"飽きずに続けられる"工夫をした」(学研パブリッシング)という。価格は700円。
ネット上には"おなか引き締め"を目指す様々なアプリがある。当然ながら効果については個人の体質や取り組み方によって異なる。自分の体質や引き締めたい部位や目的、そして自分が使っているスマホのOSの種類を考えながら検討してみるといいだろう。
(産業部 蓬田宏樹)
[日本経済新聞夕刊2013年6月20日付]
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