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朝の上手な時短術 「時間制限」と「ついで」がコツ

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NIKKEI STYLE

全ての良き一日は朝に始まる。朝食の準備や掃除に化粧、人によっては夫や子どもの支度。この忙しい時間を効率よく過ごせば、気持ちに余裕を持って一日を過ごせるはずだ。家事や美容の達人の助言をもとに、上手な朝の時短術を探った。

掃除・化粧は「ついでに」

女性にとって主な朝の難関は(1)掃除や片付け(2)化粧などの身だしなみ(3)朝食準備――。順を追って見ていこう。

まずは掃除や片付け。「朝にできる限りの家事を済ませることが、生活の充実につながります」。家事のアドバイスをするフラオ グルッペ(東京都渋谷区)社長で生活評論家の沖幸子さんは力説する。

朝食を食べたお皿、コンロ周りの汚れ……。後回しにしがちな面倒な家事を朝の時間に終わらせれば、余暇やリラックスの時間は増える。働く女性なら、その日の仕事に気持ちを集中でき、全力で取り組める。

上手にこなすコツは「時間制限」を意識することだ。皿洗いは3分以内などと決めると、テキパキ効率良い作業が自然に身につく。出社や子どもを学校へ送り出す時間から逆算して、時間を設定するとよい。

さらに「ついで作業」を身に付けると一段と時短が進む。朝起きたら布団とシーツを整える。火を使ったらコンロ周りをぬれタオルで一拭き。一つの行動をするとき、一つの掃除・片付けを常に組み合わせれば、後の手間が減る。

身だしなみや美容に関しても「ついで作業」は効果がある。乳液を肌になじませたり、シートパックをしたりする時間に家事をこなしたい。

美容家の城後紗織さんは「前の晩に、着る服やバッグを決めることが時短に有効」と話す。服装が最初から決まっているとメークの方向性も迷わず、効率良く手が動く。

メークの順番を見直すことも選択肢に入れたい。城後さんのお勧めは、時間をかけがちなアイメークの前に、チークなどで顔の印象を明るくすること。アイシャドーなどを普段より少し抑えてもよいことに気付き、メーク時間の短縮につながることが多いという。

朝食準備は「作業数を減らす工夫が大切です」と料理研究家の野口英世さんは強調する。皿を取り出す、野菜を洗う、包丁で切る。こうした作業一つ一つを見直したい。

例えば食器。小さな皿をいくつも並べて料理を盛るより、大皿プレート1枚の方が、出し入れや皿洗いの手間は減る。

肉や野菜は前日の夕食準備のついでに切って、ラップで包んで冷蔵庫に保存する。電子レンジを使えば朝に包丁やまな板を洗う面倒がなくなる。

時間の余裕がある日は、だし巻き卵やきんぴらごぼうなどを多めに作り、冷凍保存すれば、後日のお弁当作りに役立つ。暑い時期なら昼時までに自然解凍するため、保冷剤代わりにもなる。

事前の準備をしっかりして、忙しい朝を乗り切りたい。

浮いた時間、活用色々

朝の家事や身支度を手早く済ませて確保した時間は、仕事の準備や趣味、家族とのコミュニケーションに使える。朝を有効に活用すれば「なりたい自分」に一歩近づくこともできる。

総務省の調査(2012年)によると、女性雇用者(役員除く)は2288万人で過去最多。残業や飲み会などで帰宅が遅くなる可能性が高い夜に比べ「朝は起床時間や家事の効率次第で確実に自分の時間をつくれる。とても貴重だ」と朝時間の有効活用を提唱する池田千恵さんは話す。

早朝カフェでの勉強会や異業種交流会など「朝活」はここ数年人気を集めている。最近はスポーツクラブが早朝ヨガを拡充するなど健康維持の時間としても注目される。

一方、働くママにとっては我が子が起きている間に一緒に過ごせる大切な時間。「朝起きて保育園に送り出すまでの1時間半は、子どもの世話に集中する」とサイト運営会社トレンダーズの経沢香保子社長は話す。

日の出が早く、朝時間が長く感じられる今こそ自分なりの過ごし方を見つける良い機会かもしれない。

(武田健太郎)

[日経プラスワン2013年6月15日付]

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