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障害者や要介護者の旅行もっと気軽に 支援広がる NPOが介助者紹介・養成

2013/6/14 日本経済新聞 夕刊

 高齢者や障害者が気兼ねなく旅に出かけられる「バリアフリー旅行」を支援する動きが広がっている。個人旅行の支援や旅行介助の専門員の養成など活発だ。外出の機会が増えるだけではなく、心身の癒やしや回復という“治療効果”を実感できるという。高齢化社会を迎え、観光庁も旅行しやすい環境づくりなど普及に本腰を入れ始めた。

 5月末午前8時すぎ、伊勢参りの玄関口、伊勢市駅前(三重県伊勢市)にバス1台が到着した。視覚障害を持つ福岡県の40代の男性は、12時間のバス移動の疲れを感じさせず、下車後すぐに伊勢神宮の参拝に向けて歩き出した。

ボランティア2人が視覚障害者を先導する(伊勢神宮の外宮)

 伊勢神宮は樹木が生い茂り、参道は玉砂利が敷き詰められており、ちょっとした段差も転倒につながりかねない。「右手の前方に、木の根が少し地面に出ています」。介助ボランティアの声を頼りにしながら、右手のつえを使い、一歩ずつ進む。約1時間半の参拝を終えた男性は「長年の願いがかなった。段差など慣れない旅先でも移動できたという達成感がある」と顔をほころばせた。

 男性の一人旅を支援したのが、2002年に発足したNPO法人「伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」(三重県鳥羽市)。年間30人程度が利用する。中村元理事長は「旅行を楽しんでもらえるように本人の希望を尊重することが基本」と指摘。旅行の経験を通じ、何に対しても前向きに取り組もうという意欲が湧いてきた参加者も多い。

 06年の「バリアフリー新法」の施行を機に、公共交通機関や公共施設などハード面の環境が整備され、「バリアフリー旅行」を支援する動きが徐々に出てきた。

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