家族構成が固まったら…収入保障保険で掛け金抑制

では、収入保障保険から毎月いくらの保険金が出れば、残された家族がお金に困らずに暮らしていけるだろうか。

FPの馬養雅子さんは「妻と子ども2人の平均的な会社員なら月10万~15万円を目安にしたらどうか」と助言する。やや少なく感じるかもしれないが残された妻には原則、子どもが18歳になった年度末まで遺族基礎年金が支給される。子ども2人なら年間123万9100円で、これだけで毎月10万円余りになる。

さらに遺族厚生年金も、亡くなった夫のボーナスを含めて計算したおおむねの月給平均である「平均標準報酬月額」が35万円の場合で年間約46万円になる。契約者が住宅ローンを抱えていた場合は団体信用生命保険(団信)でローンの残りがすべて返済される。

家族が1人減って生活費などの支出も少なくなることを考えれば、保険金が毎月10万~15万円あれば当面の生活に困ることはなさそうだ。ただしAさんのような30歳代前半は教育費のピークがこれから。馬養さんは「生活費と別に教育費分だけ定期保険をかけてもいい」と提案する。

保険会社の選び方はどうか。後田さんは「掛け捨てなので会社のブランドなどは気にせず、掛け金の安いところにすればいい」という。各社のインターネットのサイトで加入時の年齢と契約期間、保険金を入力すると掛け金が試算できる。たばこを吸わなかったり、自動車を運転しなかったりすると掛け金が安くなる会社もある。

一部には掛け金を単純比較できない商品もある。三井住友海上あいおい生命保険が2006年から扱う「総合収入保障保険」は、死亡と高度障害だけでなく一定の要介護状態になった場合も保険金が出る。掛け金は同社の収入保障保険より3~4割高いが、最近は新規契約者の約半数が「総合」を選ぶという。

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一般的に年齢が上がるほど死亡や高度障害のリスクは高まるが、収入保障保険は年齢が高くなるほど、保険金の総額が少なくなる。リスクの高さよりも、万が一の場合に必要な金額をベースに商品設計しているためだ。契約期間の満了直前に亡くなった場合は、受け取る保険金がかなり少なくなる。

竹下さんは「契約期間の満了が近づき、必要性が薄れたら解約してもいい」と助言する。

(表悟志)

[日経プラスワン2013年6月8日付]

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