スマホの使いすぎで「首こり」 女性は特に注意

スマートフォン(スマホ)の利用者が急速に増えるにつれ「スマホに替えたら肩がこるようになった」と訴える人が増えているという。これはスマホの使い方が原因で、従来の「肩こり」とは異なる筋肉が疲労している場合もある。「肩こりではなく首こり」。そう指摘する医師もいる。

調査会社アイ・エム・ジェイ(東京都目黒区)が3月に実施した携帯電話の保有調査によると、スマホのみ、またはスマホと携帯電話両方を持っている人は48.3%。携帯電話ユーザーのほぼ半数がスマホを使っている。同社の予測によれば、1年後にはスマホを持っている人のほうが従来の携帯電話ユーザーより多くなるという。

急速にスマホ利用者が広がる一方で、スマホが原因と考えられる「肩こり」も増えている。稲毛整形外科(千葉市)には、スマホに替えてから肩がこると訴える患者が週に2~3人は訪れる。院長の南出正順さんは「スマホが原因と考えられる肩こりは、従来とは異なる筋肉が張っている場合が多い」と話す。

従来の肩こりは、肩から背中にかけて広がる僧帽筋のこわばりが原因だといわれる。つまり首の後ろ側の問題だった。

■前斜角筋が収縮

一方、スマホを見続けたときにこわばるのは、首の横から前にかけたところにある前斜角筋(図を参照)と小胸筋(同)だ。

これらの筋肉は、僧帽筋に比べ小さく、筋肉も硬く伸びにくい。この筋肉を長時間使用すると、硬く固まったままになる。「つまり肩こりというより首こり」と南出さんは解説する。首の鎖骨の上のあたりを押してみて痛みを感じたら前斜角筋に負担がかかっている。また自分の肩を見下ろして、スマホをよく持つ腕の肩が前に出ていたら、小胸筋が収縮している表れだという。

僧帽筋が収縮した場合、肩を大きく回すことで、僧帽筋の血流をよくし、肩こりを解消することができる。しかし首こりの場合は、対処法が異なる。

前斜角筋が収縮している場合は、こめかみに手を当て首を真横に倒すようにする。これで収縮した前斜角筋を伸ばせる。

一方、小胸筋を伸ばすには、肩が前に出ないように反対側の手で押さえ、腕を前後に振る。

こうした筋肉に負担がかかる原因は、スマホを見るとき、自分でも気づかないまま、不自然な姿勢を長時間続けていることにある。

「スマホを無理な姿勢で見ている人が多い」と話すのはウェルネス広小路治療院(東京都文京区)の院長、宮崎敬介さん。「スマホを目の高さで見るのと、おへその前に置いて見下ろして見るのとでは感じる負担は大きく違う。ここまで極端ではなくても、首に負担をかける姿勢でスマホを見続けている人は多い」