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早起きは本当に徳か 15日間4時起床でわかったこと

2013/6/7 日本経済新聞 プラスワン

この時期、一番の難関は連日の飲み会だった。開始は午後7時や8時。普段なら何ともない時間だが、早起き生活だとこの段階で既に眠い。

「明日は早いから……」と2次会を断るつもりだったが、意志が弱く結局3次会にもつれ込む日も。帰宅は連日の深夜。翌朝の起床も7時すぎになってしまった。

寝坊して目覚めた後、正座して反省していると「飲み会が悪いわけではない。悪いのは自分だ」と気付いた。早起きするための就寝時間を逆算して、それに合わせた帰宅時間や酒量にしなければならかった。自分を律することが早起きの基本。心を入れ替えた。

■10日で生活リズム、自炊で料理上手に

その日から数日、夕食後のテレビやインターネットは控え、入浴後にストレッチして血行を良くするなど、眠りに入りやすい状況を作ることを意識した。

すると挑戦10日目ごろには、夜10時を過ぎると自然とまぶたが重くなり、翌朝や昼食後の眠気が少なくなった。体が早起きのリズムに慣れだした証拠だ。

次第に早起きのメリットを実感するようになる。午前の早い時間帯は集中力が高く、仕事の手際が良くなる。昼過ぎには普段に比べ一仕事終えている実感があり、心の余裕が生まれた。

退社時間を午後4時に早め、帰宅ラッシュを避けて帰るようにしてみた。すると、生活の選択肢が大きく増えることに驚く。

市役所の窓口はまだ開いているし、スーパーにある生鮮品の品ぞろえは夜に行く時に比べて豊富。夕暮れ時の街をジョギングすることや、プロ野球を一回表から観戦することもできた。

一番うれしかったのは、自宅で夕食を楽しむ時間が増えた点。凝った手料理に取り組めたため、少し腕が上がった気がする。妻にもほめられた。外食の回数が減り、財布に優しく、食事のバランスもいい。

15日間の挑戦が終了。振り返ると、早起きに慣れた後は仕事、余暇ともに普段より充実できた。ただ1人だけでの早起きには少しさみしさが残る。早朝の有意義な時間帯や、早めに仕事を切り上げた後の明るい時間帯。サマータイムが広く導入され、多くの人がそういう時間を共有できたら、生活がさらに楽しくなるかもしれないと思った。

記者のつぶやき
始発電車に乗って、乗客を眺めていると面白い。会社に向かう人、釣りに行く格好のおじいさん、飲み会で終電を逃したであろう若い男性。老若男女、1日の始まりと終わりが混在している。
その中で目を引かれたのが朝練習に向かう野球部の中学生。乗客の大半が寝ている車内で、ニコニコ笑い話をしている。彼らは1日中元気なのだろうか。それとも、昼過ぎの苦手な授業ではこっそり居眠りしているのだろうか。少し気になる。
(武田健太郎)

[日経プラスワン2013年6月1日付]

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