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10製法を徹底比較 おいしい手作り納豆を作るコツ

2013/5/24 日本経済新聞 プラスワン

納豆はたんぱく質、油脂、繊維、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく含む栄養価の高い発酵食品だ。毎日食べても飽きず、おいしい納豆を手作りすることもできる。そこで昔ながらの「わらづと」や、市販の納豆菌などを使って、自家製に挑戦してみた。

納豆は大豆と納豆菌、水が原料だ。適正な温度と湿度を保ち、通気を確保すれば、納豆菌が大豆の表面で繁殖して大豆内部の養分をうまみに変え、特有の香りや粘りを引き出す。

■納豆菌入手に3つの方法

納豆1グラムに10億個近く繁殖するといわれる納豆菌は、3つの方法で入手できる。第1は稲わらにもともと付着している納豆菌。稲わら1本につき1千万個ほどの納豆菌が胞子の状態で付いている。古来、日本人はわらを束ねた「わらづと」で納豆を作ってきた。

長年かけて風味や粘りに優れた菌を選抜し、純粋培養した市販の納豆菌もある。インターネットなどで生産業者が販売している。納豆数粒をぬるま湯に混ぜた菌液を、大豆にからませて作ることもできる。

手作りの第一歩は、水で洗った大豆を一昼夜ほど水に浸し、十分に水を吸わせる。季節によって浸す時間に差があるが、東亜発酵食品研究所(栃木県小山市)所長で納豆研究家の渡辺杉夫さんは「重量で2.2~2.3倍になるのが目安で、家庭で作るときは水切り網に数十粒入れて一緒に浸し、計量器で量ればよい」と助言してくれた。

次に鍋で煮るか蒸すかして、大豆を片手の親指と小指で縦につまんで軽い力でつぶせるぐらいまで柔らかくする。「水に浸すのは納豆菌が大豆成分を吸収しやすくするため。蒸したり煮たりするのは納豆菌の酵素による分解を受けやすくするため」(渡辺さん)だ。

納豆菌を製造販売する成瀬発酵化学研究所(東京都練馬区)代表取締役の成瀬済さんは「うまみ成分を逃がさないように蒸すのが最適」と話す。

発酵方法は「わらづとに大豆を入れる」「市販菌を大豆に混ぜて容器に入れる」などを試した。稲わらを農家からいただき、わらづとも自作した。

作り方のコツは、大豆が十分に柔らかくなり、熱々のうちに発酵の「寝床」を用意することだ。

特にわらづとは雑菌を除去するために20~30分程度蒸したり煮たりするが、熱すぎたり蒸気でべちゃべちゃの状態では発酵がうまく進まない。逆に冷やしすぎたり乾燥が進みすぎたりしても十分に発酵しない。

大豆が適正に柔らかくなるのは常圧で6~8時間、圧力鍋で2~4時間かかり、最初は時間が読めず試行錯誤を繰り返した。

大豆を5キロ、わらを一抱えほども使ってたどりついたタイミングは、大豆が少し柔らかくなり始めたころにわらづとの殺菌を始め、終わったら天日で半乾燥させる。わらづとの表面は乾いていても、中はしっとり温かい状態が望ましい。

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