寝る前ヨガ・目覚ましゲーム… アプリが誘う快眠
陽気が心地よい季節になってきた。春眠を満喫したいが、新年度で仕事が気になって眠れなかったり、早く目が覚めてしまったりという人も多いかもしれない。そんなときは睡眠状態を記録できるアプリや、二度寝防止機能が付いた目覚ましアプリなど、スマートフォン(スマホ)の活用で睡眠の質の改善につなげよう。
「不眠で悩んでいたが、症状が改善した」。沖縄在住の伊波貴美子さん(54)はうれしそうに話す。利用するアプリ「寝たまんまヨガ」はタイトル通り、横になったままヨガができる。「呼吸を整えながら全身に力を入れて一気に抜く」など、簡単なヨガのプログラムを分かりやすくナレーターが説明してくれる。「知らない間にぐっすりと眠ってしまい、説明を最後まで聞いたことがない」という。
同アプリはポータルサイト「excite」を運営するエキサイトがヨガスタジオのインストラクターと開発した。無料版では14分間の基本プログラムを体験でき、物足りないという人には85~350円の有料版もある。休憩中にリラックスしたい時にも効果がありそうだ。
眠りの深さ計測
寝付きが悪いと悩む人は「Relax Melodies」を試してみるのもいいかもしれない。風や波の音、鳥の声などリラックスできる音声を収録しており、寝る前に小さい音で聞いているうちに眠ってしまう効果が見込めるという。自分の好きな音を組み合わせたプレイリストを作ることも可能。オフタイマーもあるので、音楽をつけたまま寝てしまう心配もない。
睡眠状態を記録することで自分に合った睡眠方法を見つけるアプリも複数ある。「快眠サイクル時計」は振動を細かく計測できるスマホの加速度センサー機能を使い、一定時間内の体の振動数を特定の計算式に当てはめて睡眠の深さを計測する。睡眠時に枕元にスマホを置いておくだけで、ベッドの細かな振動から睡眠中の眠りの深さや寝付きを記録し、翌朝に睡眠の質をグラフで表示する。眠りが浅くなったタイミングでアラームが鳴るのが特徴だ。
公開から半年足らずでダウンロード数は130万を超えた。モバイルコンテンツ開発会社、エイチームの柴田健介さんは「ストレスの多い毎日を少しでも快適にできるアプリがつくりたかった」と話す。
睡眠改善薬のドリエルを販売するエスエス製薬が開発した「ぐっすり~ニャ」も同様に睡眠状態を記録できる。ドリエルのキャラクターのネコがスマホの中でベッドに入っており、愛用する阪口瀬里奈さん(都内在住、25)は「ねこがかわいくて、思わず毎日記録したくなる」。使い続けたり、記録をフェイスブックに投稿したりするとネコの帽子などアイテムが増えるおまけ機能がついている。
女の子が「起きて!」
つい二度寝をしてしまう、という人にはこんな目覚ましアプリもある。「Wake N Shake Alarm Clock」は強力だ。セットした時間にアラームが鳴ると同時に、スマホを振り続けるゲームが開始。一定のポイントに達するまでアラームが鳴り続けるうえ、振り続けないとポイントが減ってしまうため、寝起きから必死になる。難易度の調整もでき、クリアする頃にはばっちり目が覚めそうだ。
「ほんまに起きてーや!」。朝から大阪弁の女の子が猛烈な勢いで起こしてくれるのは「大阪あらぁむ」。一風変わったアラームで、耳慣れない人の声にびっくりして起きるという仕組み。もちろん目覚まし音もにぎやかで、これを放って寝ていられる人はかなりのつわものだろう。曜日ごとの時間設定など、アラームとして基本的な機能がそろっている。
目覚ましアプリで注意したいのは、設定時間にきちんとアプリが作動するかの確認だ。スマホの電池消費はもちろん、アプリが起動しているかなど、あらかじめテストしておく必要がある。自分に合った睡眠のリズムや起床方法を見つけて、生活全体の質の改善に役立てたい。
(証券部 青木真咲)
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