完全主義者は気をつけて 下痢、慢性化を防ぐには体重管理も大切

この季節、転勤や異動でちょっとしたストレスを抱え、おなかの調子を崩す人も多いのでは。身近な体の不調といえる下痢は、病原性大腸菌などによる感染性や精神的ストレスが原因で起こり、日常生活に支障をきたすこともある。やっかいな下痢を予防するにはどうすべきか。専門家の話を聞いた。

私たちの健康な便には水分が70~80%含まれている。これより水分が多くなると軟便や水のような便になる。そして、我慢のできない便意を頻繁にもよおしたり、腹痛を感じたりすれば下痢と考えていい。

■細菌感染を防ぐ

鳥居内科クリニック(東京・世田谷)の鳥居明院長は「下痢は、様々な理由で腸の機能が低下し水分を十分に吸収できなくなった状態」と説明する。急な下痢の原因には暴飲暴食や腹部の冷えもあるが、注意したいのはノロウイルスなどのウイルス感染や病原性大腸菌などの細菌感染だ。

順天堂医院(東京・文京)小児科・思春期科の清水俊明教授は「特に子どもは、大人と比較して胃液の分泌能力が低い上、免疫力が未発達。生卵や生の鶏肉などにはサルモネラ菌やカンピロバクターなど食中毒の原因となる細菌が混入しているので、気温が上がるこれからの季節、しっかり加熱調理するなどの注意をしてほしい」と話す。

過剰な腸の運動も下痢を生じる原因だ。例えば、ビールをたくさん飲んだ翌朝に下痢をする人がいる。これはアルコールが腸の運動を活発にし、食べたものがどんどん排せつされ、水分を吸収する時間が足りなくなるために起こる。

精神的なストレスも腸の運動と深い関係がある。学生時代、試験やゼミの発表会の前に急に腹痛に襲われたという経験のある人もいるだろう。鳥居院長は「こんなとき脳からはストレス信号が発せられ、腸の粘膜からは、腸の運動を刺激するセロトニンというホルモンが分泌される。このとき腸の動きが激しくなって下痢となる。特に男性でその傾向が強いため、女性と比べて下痢になりやすい」と話す。

誰でも一度は経験する現象だが、頻繁にくり返していると「またお腹が痛くなったらどうしよう」という不安が強くなる。こうした不安はストレス信号を強めるために、さらに症状が出やすくなる。この不安の連鎖反応にはまると、やがて「通勤の途中でお腹が痛くなり必死にトイレを探す」「大事な会議の前にかならず下痢をする」という慢性下痢につながる。これが最近、よく知られる過敏性腸症候群の正体だ。下痢は著しく生活に支障をきたすので、この病気に悩んでいる男性は多い。

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