エレベーターにも席次 「上座」と「下座」の基本例外にも注意

会合や会食での席順、車やエレベーターでの座り場所や立ち位置などには、それぞれ「上座」と「下座」がある。格上の人を上席とするもてなしや儀礼の基本的なマナーだが、部屋のつくりなどによっては逆にした方がよい場合もある。基本を押さえたうえで、柔軟な対応を心がけることが大切だ。

目上の人や客を部屋に招く場合、くつろいで気持ちよく過ごしてもらうため、お招きする方々を上座に案内し、迎える側は下座に座る。この際、出入り口から最も遠い奥の席を最上位の上座、出入り口から最も近い席を最下位の下座とするのが大原則だ。

奥まった席はゆったりして落ち着け、全体を見渡せるので安心感もある。出入り口に近い席は人の出入りや飲食物の搬入・搬出などで扉が頻繁に開閉され、くつろげない。雑事をこなす迎える側や格下の人が座る場所だ。

ただ、これはあくまで原則であって、部屋の構造や冷暖房の風向きによっては、例外があるので注意が必要だ。代表的なのが、眺めの良い窓が出入り口の反対側にある場合。美しい庭など窓外のきれいな景色を楽しんでもらうために、出入り口に近い席であっても上座とする方がよい。

会社などで役員の執務室の中に応接セットがしつらえられている場合も、執務机のある側がお迎えする側として下座になり、ない側が出入り口に近くても、上座になる。

全日本作法会の家督である飯塚美枝子さんは「そうした際に大切なのが、一言添える心配り」と指摘する。景色のよい窓がある場合ならば「本来なら奥の席にご案内するところですが、こちらの席の方が眺めが良いので、どうぞ」と言い添えれば、相手も快く受け入れてくれ、その場が和やかになる。「こうした臨機応変な対応と気遣いこそが重要」(飯塚さん)だろう。

洋室では椅子の配置にも注意が必要。椅子にも「格」があるためだ。最も格上なのが「ひじ掛けと背もたれの付いた長椅子(ソファ)」。足や体を伸ばせるなど、ゆったりとくつろげるからだ。次いで「ひじ掛けと背もたれ付きの一人掛けの椅子」などの順に格付けが決まっており、上座と下座の位置に合うように配置しなければならない。