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愛知・岡崎市 八丁味噌の秘伝探る 戦の保存食 家康公が珍重

2013/3/30 日本経済新聞 夕刊

名古屋近郊は独特の食文化が数多い。八丁味噌もその1つだ。ルーツを探ると愛知県岡崎市にたどり着く。地元で古くからつくっていた味噌を、この地で生まれた徳川家康が珍重し、幕府を開くと同時に江戸に伝え、その後全国に広まったとする説もある。城下町・岡崎に八丁味噌の伝統を訪ねた。

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さてクイズから。八丁味噌の名前の由来をご存じか? 答えは岡崎城から西に八丁(約870メートル)離れた場所でつくられ始めたから。正確な記録がないので起源は定かでないが、江戸時代よりずっと古くからこの地で味噌がつくられていたという。現地には今も、伝統製法をかたくなに守る老舗が2軒残る。

工場見学ではガイド役が八丁味噌の特徴などを解説(まるや八丁味噌)

岡崎は東海道の宿場町としても知られる。その旧街道を挟んで2軒はある。北が「カクキュー八丁味噌」、南が「まるや八丁味噌」だ。いずれも製造現場の見学が可能。

まずは創業1645年のカクキューへ。資料館では等身大の人形を使ったジオラマで工程を再現。「原料は大豆と塩だけ。発酵を促す麹(こうじ)に米などを使う味噌もあるが、八丁味噌は麹も大豆。その分、米麹の味噌と比べると甘みに欠けるが、うまみが濃厚だ」と、総務部長太田高司さんが教えてくれる。

発酵・熟成過程も独特だ。直径と高さ、いずれも2メートルはあろうかという大きな桶(おけ)に約6トンの味噌を仕込み、「二夏二冬」(約2年)寝かせる。味噌は数カ月の発酵・熟成期間でも完成する。ただ風味は長期熟成にかなわないのだという。

熟成中、桶の上には無数の石が積まれる。総重量約3トン。ピラミッド状に整然と積み上げる石は岡崎の八丁味噌に欠かせない風景だ。「石積みの技術は、まるやさんが上かもしれません。美しい石積みですよ」。太田さんに耳打ちされて旧街道を横切り、「まるや」に向かう。

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