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顔と名前を覚える秘訣 目元に注目、人柄を想像

2013/3/29 日本経済新聞 プラスワン

「あれ? 顔は分かるのに……」。久しぶりに会った相手の名前が思い出せず、気まずい空気が流れたことはないだろうか。記者(34)も幾度ヒヤリとしたことか。顔と名前は人間関係を築く基本だ。出会いの増える春。様々な方法を試しつつ、顔と名前を覚える秘訣を探った。

まず顔写真をみて名前を思い出す訓練から始める。新聞や雑誌、タレント名鑑などに載っている全く面識のない人の顔写真を数百枚用意し、裏に名前を書く。うち100枚をランダムに抜き出し、30分かけて覚える。時間がきたら写真をシャッフルし、顔だけ見ながら何人の名前を思い出せるかテストする。

3日後と1週間後にも同様に思い出せる人数を測る。数を比べればどの覚え方が自分に向くか、傾向くらいは分かるだろう。

ではどんな方法を試そうか。繰り返し見て頭に焼き付ける程度しか思いつかない。早速やってみたが眠くなるばかり。数日たつとほとんどが記憶から消えた。

■感情とセットで地道に繰り返す

やはり覚え方のコツを達人に聞いた方がいい。最初に乳幼児の顔認知などに詳しい中央大学教授(心理学)の山口真美さんを訪ねた。「覚えようという意志、相手への興味が大切ですね」。顔を覚えるのに使う脳の部分は感情を知覚する部分と密接にかかわるため「優しそう」といった感情を伴うイメージや表情とセットにすれば、記憶に残りやすいという。

ホテルの接客一筋40年で数千人の顔と名前が頭に入っているパレスホテル東京(東京都千代田区)の須藤智一さんは「地道に繰り返して覚えるしかない」。まず目を中心に顔の特徴をとらえ、名前は何度も声に出す。顔以外にも歩き方や癖、声の調子など手がかりを探し、知らなくても人柄を想像。「想像した人柄と違ってもかえって『ここが違った』と印象に残る」

指名手配犯を追う「見当たり捜査員」だった警察OBも「数百枚の顔写真を繰り返し目に焼き付けた。ポイントは変わりにくい目の周辺」と話していた。

一通り達人の知恵を借りたところで、訓練を再開。目の周辺の特徴や名前の音読を意識してみる。成績も徐々に上がってきた。

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