背筋だけ伸ばしてもダメ 腰痛・肩こり防ぐ座り方

では、骨盤を立てて正しく座るにはどうすれば良いか。スポーツ選手のトレーニングも手掛けるBODY TIPS(東京都渋谷区)社長の亀田圭一さんは「崩れた姿勢で座るクセのある人は、自分の座骨の位置を把握できていないことが多い」と話す。

亀田さんが薦めるのは、まず硬い床に両足を伸ばして座り、上半身を前後や左右に傾けて床に当たるコリコリした左右の座骨を認識する。次に座面が硬いイスに座る。できれば背もたれのないものが良い。膝の下に足をしっかりと置いて、2点の座骨を意識しながら上半身をゆっくり動かし、一番安定する場所で止める。その位置が骨盤が立った状態という。

座面にタオルを

正しい姿勢を身に付けても始めは普段使わない背筋などを使うため、違和感がある。野呂さんは「慣れるまで背骨のS字のくぼみに専用のクッションや尻の後ろに丸めたタオルを入れて姿勢を保ちやすくしよう」と助言する。実際に野呂さんが整形外科医と実施した研究では、背中と尻の後ろにクッションを入れて座ると骨盤が傾きにくいという結果が出た。

日中にデスクワークで座りっぱなしの人は、適度に休憩して筋肉をゆるめよう。「寝る前に背中や腰回りの筋肉をほぐすことも大切」とKyoさん。下図のようにあおむけに寝て両膝を抱え、背中で左右に転がる運動などが有効だ。加齢に伴い、一晩寝ても体の凝りが解消されなくなる人は多い。亀田さんは筋肉の緊張を解くことで「正しい座り方に必要な筋肉も付きやすい」と話す。

机の高さにも注意

正しい姿勢で座るには机の高さも重要だ。野呂さんによると、イスに座った状態で膝から机の天板までの長さが、座高(座った時の頭のてっぺんから座面までの高さ)の3分の1程度になるのが理想という。「日本のオフィス机の高さは約70センチで固定している場合が多く、身長163~173センチの人に適している」(野呂さん)

背が低く、両足が床に着かない時は踏み台を置く。背の高い人が机に合わせてイスの高さを下げると、足があまって尻が少し浮いた状態になる。薄いクッションを敷いて接点を増やそう。野呂さんは「米国では机も高さを調整できるものが主流。日本も背の高い人が増えているので導入すべきだ」と話す。

(坂下曜子)

[日経プラスワン2013年3月2日付]

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