背筋だけ伸ばしてもダメ 腰痛・肩こり防ぐ座り方

パソコンの前で長時間、同じ姿勢で過ごし、上半身に凝りを感じる人は多いだろう。崩れた姿勢で座り続けると背骨や骨盤への負担が積み重なり、腰痛や肩こりを引き起こすことがある。正しく座る方法をまとめた。

「立ったときよりもイスに座った状態の方が、背骨や骨盤への負担ははるかに大きい」と整形外科医でカイロプラクターの竹谷内康修さんは指摘する。座ることで背骨を構成する骨をつないでいる椎間板に圧力が加わり、骨盤が後ろに傾きやすいためだ。

腰痛や頭痛誘引

会社や自宅で自分がどのような姿勢で座っているか意識したことはあるだろうか。大別すると下図の4パターンに分かれる。

(1)は背骨や骨盤への負担が少ない理想的な座り方。骨盤を構成する座骨の左右の先端がイスの座面にしっかり当たり、2点で上半身を支える。一般的に「骨盤が立っている」といわれる状態だ。

骨盤の位置が定まれば背骨は自然にゆるやかなS字になり、背筋が伸びる。骨盤が立っていないのに背筋だけ伸ばしても意味がない。足は膝の真下に置く。

(2)~(4)は悪い姿勢の典型例。「骨盤と背骨に無理な圧力を加え続けると周辺の筋肉がこわばり、骨や関節が変形するリスクがある。腰痛や肩こり、頭痛などになる可能性がある」と竹谷内さんは指摘する。

各姿勢は骨格にどう作用しているのだろうか。(2)と(4)は「骨盤が後ろに傾いた状態で特に20~30代に多い」と話すのは早稲田大学名誉教授の野呂影勇さん。人間工学に基づく骨格や筋肉に負担の少ない座り方を研究している。

(2)のように背もたれに体重を預けて浅く座ると、左右の座骨と、背骨の下部にある仙骨の一部の3点がイスの座面につく。「仙骨は体重を受け止める構造になっていないので力を加え続けるのはよくない」と野呂さんは指摘する。

(4)はオフィスでよく見かける姿勢。骨盤が後傾している状態で、両腕をまっすぐに伸ばし、腕の下に置いた資料を見ながらパソコンを操作する。横から見ると上半身がアルファベットのCのような形で、背骨が大きく丸まっている。

(3)は「女性に見られる姿勢」と話すのはヨガスタジオ「スタジオ・ヨギー」(東京都千代田区)のエグゼクティブ・ディレクターKyoさん。机に体重を預けるように座り、両足がイスの内側に入っている。背筋が伸びているので正しい姿勢に見えがちだが、骨盤は前方に傾きすぎで、座骨で上半身を支えきれていない。膝を曲げた状態になるので下半身への血液の流れも悪くなり、足がむくみやすくなる。

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