ライフコラム

エコノ探偵団

ビジネススクール、なぜ盛況?

2013/2/26 日本経済新聞 プラスワン

「最近、ビジネススクールが社会人でにぎわっているそうだよ。なぜだろうね」。久しぶりに事務所を訪れた友人の問いかけに、探偵、松田章司が反応した。「そういえば僕も知人から誘われてるんだ。よし、調べてみよう」

■将来に不安感じ、学び直し

まず、グロービス経営大学院(東京都千代田区)に向かった。「どんな勉強をするんですか」。「会計・財務、マーケティング、人事組織などの幅広い講座をそろえ、議論を通じて課題を解決する力を高めます」と経営研究科研究科長の田久保善彦さん(42)。ビジネスの最前線を知る経営者らが教員を務める。

同大学院は2003年度に制度ができた専門職大学院の一つ。日本は主要国に比べて大学院の規模が小さいという現状を踏まえて「高度で専門的な職業能力を有する人材の養成」を旗印に学生の裾野を広げる狙いがある。

大学関係者の推計によると、ビジネス系の専門職大学院の在学生は約30校の定員総数に相当する約4千~5千人で、大半は社会人。3~4年前に現在の人数に達した後、高水準を維持している。このほか、慶応大学などが通常の大学院に設けるビジネスコースもあり、専門職大学院より歴史は古い。多くの場合は昼間の授業が中心で、小規模。社会人学生の数は限られる。

次に、リクルート発行の冊子「社会人&学生のための大学・大学院選び」編集長の乾喜一郎さん(45)を訪ねた。「定員割れもありますが、夜間や土曜日の授業、学費の一部免除、柔軟な科目選択など工夫を凝らす大学院には定員を超える社会人が集まっています。社会人の取り込みには成功しているといえます」

章司は知人からビジネススクールの修了生を紹介してもらった。飯尾大典さん(39)は「現状打破と専門知識の向上」、小林貴之さん(46)は「経営のスタンダードの吸収」と通学の動機を語った。中央大学ビジネススクール教授の田中洋さん(61)に質問すると「一定の実務経験を積んだ後、経営学を体系的に学んで知識の幅を広げたい社会人が通ってきます」と説明した。12年度の在学生は180人で平均年齢は38歳。学費(2年間で340万円)を自己負担する人が多い。

「勉強熱心な人が多いですよ」と所長に報告すると「転職を考える人が多いんじゃないか」と指摘した。

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