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魚を上手に食べるコツ 箸の使い方より骨の構造理解

2013/2/22 日本経済新聞 プラスワン

日本の食卓には欠かせない魚。尾頭付きの塩焼きなどは、見た目も立派で食欲をそそる。困るのが上手に骨をよけて、きれいに食べるのが難しいことだ。魚は大好きだが箸の使い方が下手な記者(35)が、魚をきれいに食べる方法を探った。

目指すのは身を上手に箸でとり、食べた後、見苦しくないような食べ方だ。会食時などにも使えるようマナーもなるべく守る。表の身を食べた後、ひっくり返して裏側を食べたり、魚を手で何回も触れたりするのはマナーに反するので避ける。

まずは自分の魚の食べ方をチェックする。ちょうど家にあったカマスを塩焼きにした。いつものように上身を箸でつまむ。しっかりと焼き上げたためきれいに身をはがせたが、口に入れるとチクチクする。細い骨が身についていた。

身を口にいれてはそのつど骨を取り出すため、イライラしてしまう。箸の使い方も荒くなり、きれいに食べられない。骨に気をとられて魚の味もわからず、カマスに申し訳ない。

魚を扱うプロに話を聞こうと、東京の築地市場にあるおさかな普及センター資料館を訪ねた。坂本一男館長によると「魚の骨の構造を知ることが、きれいに食べる近道」という。

■アジで基本学び ほかにも応用

箸の使い方などを教わるのかと思っていたから驚いた。アジの骨標本の資料を見ながら説明をうける。構造さえ分かれば、箸が下手でもきれいに食べられるようになるそうだ。

骨の中で注意するのが、上神経骨という、背骨から突起状に出ている部分だという。骨をとったはずの上身に紛れ込んでいることが多いからだ。

ただ、日常食べる魚だけで何十種類もある。そんなに覚えられないというと「魚種ごとに構造は多少異なるが、基本はあまり変わらない。オーソドックスな構造で、手に入りやすく安いアジで学習するとよい」と坂本さん。

早速、スーパーで25センチほどのアジをたくさん購入し、丸ごと塩焼きにする。最初の1匹は構造を知るため、きれいに食べることにこだわらず、バラバラにして食べた。これが上神経骨、肋骨と一つ一つ骨をチェックしていく。尾びれを支える鋭い骨など、知らなかった魚の構造が見えてきた。

2匹目のアジは構造を頭に思い浮かべながら、胸びれの上あたりに箸を入れ、背骨に沿って尾の方に動かす。骨に当たらずスイスイ切れて気持ちがよい。切れ目に箸を入れ、上下に押し開いて身をはがしていく。背骨から背びれにめくるように身を取り、上神経骨に気をつけながら食べていく。

骨をよけて順調に食べ進んできたが、背びれ付近の身でつまずく。骨が背びれから反対に突き出ているため、めくる食べ方ではうまく身がとれない。骨と骨の間隔が短いのも厄介だ。

思わず手にとってかぶりつきたくなる欲求を抑え、背びれの身の部分だけ切り離して皿の上に置く。突き出ている骨にそって上の身をとった後、下の身を骨の下からほじくるようにしたら、きれいに食べられた。

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