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体動かして頭も活性化 「脳フィットネス」に注目 繰り返しで記憶力アップ

2013/2/13 日本経済新聞 朝刊

寒い冬、体を動かす機会も減りがち。しかし昼間の時間が短く体が冷えやすい季節こそストレスがたまりやすい。適度な運動は心や体のリラックスだけでなく脳の働きの活発化にも効果的なことが最近の研究で判明、「脳フィットネス」と呼ばれる方法も注目されている。室内で手軽にできるものも多いので、自分のコンディションに合わせて試してはいかがだろうか。

健康によいとして増えている自転車通勤。道がすいている所では力強くこぎ、赤信号で一服――。筑波大学体育系の征矢英昭教授によると、こうした「インターバル運動」と呼ばれる短時間の高強度運動の繰り返しは脳の活性化に役立つ。脳フィットネスの好例だ。

持久力が向上

高強度のインターバル運動は「人間機関車」と呼ばれ1940~50年代に活躍した長距離走者、エミール・ザトペックによって有名になった。短距離のダッシュを繰り返して持久力をつけた。効果の科学的な解明が進み始めたのは最近だ。カナダのマクマスター大学のマーティン・ギバラ教授らは人間の筋肉組織を調べ、高強度インターバル運動が糖を取り込む体の働きを高め持久力を向上させることを示した。

征矢教授らはネズミを使って中・高強度の運動を試した。体重の1.3倍の重りがついたホイールを回させると、重りがない場合の半分の走行量で神経細胞の成長や働きに変化が現れた。記憶を担う海馬で新たな神経細胞の生成が促され、ネズミの空間認知力が高まった。

征矢教授は自転車のほかになわとび、水泳、登山などを勧める。なわとびなら2~3分を1セットに、3セットから始める。水泳は休みを入れながら、25メートルを全力で泳ぐ練習を10本程度する。登山は筑波山や高尾山など比較的低い山を登り切る。

周囲の人との交流、楽しい気分などは運動が脳に及ぼす効果を高める。征矢教授は高齢者や体力のない人なども楽しく続けられるよう、足踏みなどをベースに腰振りと手の開閉を組み合わせた「フリフリグッパー」運動を考案。高齢者の運動集会で取り入れ、1年後には参加者の多くで記憶力テストの成績が上がった。

フリフリグッパーは1回約3分が基本。好きな音楽に合わせ、慣れてきたら朝、昼、晩など回数を増やしてもよい。テンポを上げれば中・高強度のインターバル運動に匹敵する効果も期待できるという。

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