相手が電話で話せる状況かを確認するために「今お話ししても大丈夫ですか」と尋ねるのも「『大丈夫』は相手に問題がある場合に使われる言葉。『ただ今、お話ししてもよろしいですか』と言った方がいい」(恩田さん)。

社外からの電話を受けるときは、社内の人は身内と考えるのが基本。自分の上司でも呼び捨てにして「あいにく○○は退社いたしました」と謙譲語を使う。自社を「弊社」、相手の会社を「御社」というような呼び方もとっさに出てくるようにしたい。

◇            ◇

メールでのやり取りは文章が印象を左右する。最初に目に入る敬称の付け方で迷うケースがある。例えば「○○社長」と役職名を呼び捨てにしていいものか。失礼にならないようにと「○○社長様」と書く人がいる。

ビジネスメール教育の専門家で、アイ・コミュニケーション(東京都千代田区)代表取締役の平野友朗さんは「『社長様』は間違いだが、呼び捨てにすることにどうしても抵抗のある人がいる」という。そこで勧めるのが「社長 ○○様」と書く方法だ。

では、自分より立場が上の人が自分宛てに「○○さん」と書いていたら、こちらも「さん」で返すべきか。平野さんは「相手の懐に入るには軟らかい表現を使うことも必要」と語る。一つの基準として「相手が崩してきたら自分も崩す。先に自分からは崩さない方が無難」と助言する。

距離感をはかりながら柔軟に敬語を使うことが大切だ。

(ライター 上田 真緒)

[日経プラスワン2013年2月9日付]

注目記事