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高血圧・糖尿病リスク上昇 意外に怖い不眠症 自律神経やホルモン分泌に変調

2013/1/29 日本経済新聞 朝刊

2月3日と毎月23日は「不眠の日」。睡眠の大切さを啓発する目的で2011年、日本記念日協会に認められた。日本人の約5人に1人が不眠の悩みを抱えており、50代後半から増える。たかが不眠症と思いがちだが、高血圧や糖尿病など様々な病気にかかるリスクが増す。今や国民病になった不眠症を2回にわたって取り上げる。今回は不眠症が引き起こす怖い病気を考える。

「不調に気づかないで放置している人もいる。睡眠の重要性を認識すべきだ」。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所などで睡眠を研究してきた白川修一郎氏はこう警鐘を鳴らす。睡眠は食事や運動とともに健康を維持する大切な要素だが、日本人の意識は低いという。

■韓国人の次に短い日本人の睡眠時間

09年の調査によると、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で日本は韓国の次に睡眠時間が短いとされる。海外ではかかりつけ医に相談するのに、日本では不眠で困っている人のほぼ半数が相談しないという。白川氏は一昨年、専門医らと睡眠改善委員会を立ち上げ、啓発活動に取り組んでいる。

たかが不眠とあなどってはいけない。鬱病との関連性は知られているが、不眠症の人は高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクが高まる。米国の大規模な調査で明らかになっているほか、日本でも同様の結果が出ている。

大手通信会社の男性社員を調べたところ、床についても眠れない入眠障害がある4800人は、4年後に高血圧になる割合が普通に眠れる人の約2倍になった。電機会社の男性社員約2600人を対象にした調査でも、入眠障害の人は8年後に糖尿病になる割合が約3倍に膨れた。

日本大学の内山真教授は「あらゆる病気のリスクが高まる」と指摘する。睡眠不足が慢性化すると、自律神経やホルモンの分泌といった体内の調節機構そのものが変調をきたすからだ。

短時間睡眠を1週間続けると、健康な人でも体内で分泌されるホルモンの一種インスリンに反応しにくくなり、血糖値が上がることがわかっている。一晩徹夜しただけで血圧は10ほど上昇するという。

米国などの研究から、睡眠時間が短いと肥満になりやすくなることもわかってきた。原因は夜更かしをする人は夜食をとりがちだからだけではない。不眠が続くと、食欲を増すホルモンのグレリンの分泌が増え、逆に食欲を抑えるホルモンのレプチンの量は減るためとみられている。

高血圧症患者を降圧剤で血圧を下げると、睡眠時間は同じでも睡眠の質がよくなったという報告もある。不眠症が生活習慣病を引き起こす詳しい仕組みはわかっていない。

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