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驚きの速さと正確さ インド式暗算とゴースト暗算

2013/1/25 日本経済新聞 プラスワン

商店街やスーパーの買い物、食事会での割り勘、経費の見積もり……。日常生活のなかで何かと必要になるのが暗算だ。記者(34)は最近、ついおっくうになり、電卓に頼ったり、他人任せにしたりしてしまう。脳の衰えへの不安もよぎる年齢になり、一念発起、短期間で暗算力を鍛え直す方法を探ってみた。

これまで意識して暗算の訓練をしたことはない。足し算や引き算は8+5=13などのパターンを覚え、掛け算は九九を暗記。暗算をする際は覚えたパターンを当てはめ、頭の中で筆算する。ただ計算のケタ数が増えればもう紙と鉛筆なしにはできない。

まずは現在の暗算力を測る。いきなり10ケタといっても無理なので、普段使う範囲の数でテスト。足し算引き算は3ケタまで、掛け算割り算は3ケタまでと2ケタまでの数同士で試す。割り算は小数点以下まで出すのはあきらめ整数の解と余りを答えることにする。

■そろばんの玉想像 厳しい付け焼き刃

ランダムに並べた数字に加減乗除の記号を加えて問題を作成。5分間で間違えずに何問できるか数える。紙に筆算の助けになるメモを書くのは禁止。速さだけでなく正確さも求められるため、正答率も出す。問題をとばすのも誤答とした。

普段通りにやると、足し算引き算や難易度を下げた割り算は手間取りながらも何とか解ける。問題は掛け算だ。2ケタ×2ケタでは途端に計算のスピードが落ち、間違いが多い。筆算の形や繰り上がりを記憶しきれないのだ。10回挑戦した平均は別表通り。恐らく昔の自分にも、子どもたちにも及ばないだろう。

ではどうやって暗算力を磨こうか。思い起こせば小学生の頃、そろばん教室に通う同級生がいた。指で玉をはじく動作をしつつ、すごい速さで暗算していた。玉の動きが頭に浮かぶのだろう。彼に倣って入門書を手に独学で使い方を復習し、頭の中で玉をはじくイメージで暗算する訓練を1週間ほど続けた。

最後にテストに挑戦。ただ結果は普段とそれほど変わらなかった。日本珠算連盟検定部長の長門芳徳さんは「暗算は一朝一夕にはいきません。毎日の積み重ねが大事」。分かってはいたが、付け焼き刃の1週間ではとても使いこなせない。

しかし何とか短時間で結果を出したい。「計算力を強くする」などの著書を持つ数学ライターの鍵本聡さんにコツを聞く。「暗記力と『計算視力』を鍛えてみては」。計算視力とは聞き慣れないが、簡単に暗算できるように頭の中で数式を変形する発想力のようだ。例えば76×52では因数分解し、計算が楽な100が登場する38×2×50+76×2などと形を変える。

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