2012/12/8

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島の主要道路沿い3カ所に並びそびえる年寄の墓。独特な位牌形

年寄の墓が独特と聞き、訪ねた。3カ所に、年寄を務めた3家の墓が並び立っている。位牌(いはい)を模した形で、巨大。高さ3メートルを超すものもある。

同市文化財保護協会長の遠藤亮さんに聞くと「本島の北にある向島産の花こう岩を使っています。本島にある木烏(こがらす)神社の石鳥居もそうです」とのこと。この石鳥居には九州の石工の名が刻まれ、九州の石鳥居と形が似ているという。

本島にも高無坊(たかんぼ)山に石切り場があり、「井」「田」などの印を刻んだ切り石約50個が西麓に点在している。刻印を手がかりに遠藤さんたちが調べたところ、徳川期の大坂城の石垣に本島の石材が使われていることが判明した。

九州・豊前の細川家が塩飽から大坂へ石を搬出した記録もあった。「九州から来て石を切り出した石工が、大坂築城後に塩飽を再訪し、年寄の墓や石鳥居を製作したのでは。時期がちょうど合致します」。遠藤さんが自説を披露してくれた。

島は過疎化が進み、元禄期に4800人だった人口は現在は450人ほど。ただ最近、全国から塩飽姓の人たちがよく訪ねて来るという。「島には塩飽姓はいませんが、各地に散った船乗りや大工が故郷を名字として名乗った。その子孫の方々でしょう」。吉田さんはほほ笑む。

(編集委員 竹内義治)

<旅支度>周囲約16キロ、貸自転車で
 塩飽本島へは丸亀港発のフェリー・旅客船(毎日8往復)で約20~35分、本州からは児島港発の旅客船(同4往復)で約20分。笠島地区は本島港から徒歩で約20分。町家を活用した「笠島まち並み保存センター」で、地区の歴史や概要を知ることができる。周囲は16.4キロあり、一周するならレンタサイクル(1日500円)が便利だ。
 観光の問い合わせは本島パークセンター内の観光案内所(電話0877・27・3077)か、丸亀市本島市民センター(電話0877・27・3222)へ。

[日本経済新聞夕刊2012年12月5日付]

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