その夜は、町を見下ろす高台にある「いわない温泉高島旅館」に宿を取った。新鮮な魚介がいただけるということもあり、リピーターの多い宿だ。夕食では、冬の間だけ、選んだ「たちかま」料理が1品、コースにつく(12月8日~1月31日まで)。そのうち、いくつかを試食させてもらった。
まずは和風だしのおでん煮。ひと口いただくと、もっちりとした食感に驚く。塩味が効いて、魚の香りも食欲をそそる。刺し身はさらにぷりぷりで、まるで餅のよう。あぶり焼きは、上手に焼かないと網にひっついて取れなくなるので注意が必要だ。
食後はお楽しみの温泉。重曹成分の含まれた柔らかな湯が、浴槽に注がれている。内湯で温まったら露天風呂。木々越しに岩内の夜景がきらめている。りんとした北海道の冬の空気がなんとも心地よく、長湯のできる温泉だ。周辺には温泉宿が数軒点在。日帰り入浴のできる宿もある。夏は多くの客でにぎわうというが、冬は静かなもの。
まもなく岩内も本格的な冬を迎え、スケトウダラ漁も活気を増してくる。
(旅館コンサルタント 井門 隆夫)
▽交通 JR函館本線小樽駅から岩内ターミナルまで高速バスで約1時間20分。ターミナルからいわない温泉高島旅館まで車で約10分(送迎あり・要予約)
▽温泉 いわない温泉高島旅館はナトリウム―炭酸水素塩・塩化物泉。町内には複数の温泉宿がある
▽問い合わせ 岩内観光協会(電話0135・63・1155、道の駅いわない内)。高島旅館(電話0135・61・2222、1泊2食1万650円から)、尾崎商店(電話0135・62・0596、ファクス0135・63・0596)
▽温泉 いわない温泉高島旅館はナトリウム―炭酸水素塩・塩化物泉。町内には複数の温泉宿がある
▽問い合わせ 岩内観光協会(電話0135・63・1155、道の駅いわない内)。高島旅館(電話0135・61・2222、1泊2食1万650円から)、尾崎商店(電話0135・62・0596、ファクス0135・63・0596)
[日経プラスワン2012年12月1日付]