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北海道・岩内 もっちりタラの白子 港町に湧く良質の湯

2012/12/4 日本経済新聞 プラスワン

日本には、大量生産できないゆえに知られていない珍味が少なくない。北海道岩内町の名産で冬に作られる「たちかま」もそのひとつ。新鮮なスケトウダラの白子を練り、つみれ状に仕立てた一品だ。古くは家庭でも作ったようだが、今では作り手もわずか。生産量が少なく、口にするには北海道まで飛ぶのが早いと、良質の温泉も湧く岩内まで足を運んだ。

岩内の町並みと積丹半島

小樽から、岩で波が砕ける日本海を眺めながら、小雪舞う道をバスで1時間半。積丹半島のつけ根にあたる岩内町に着いた。港の向こうに広がる日本海がスケトウダラの漁場だ。スケトウダラの卵はタラコとして知られ、岩内にも何軒ものタラコ加工業者がある。魚肉は加工され、フィッシュバーガーなどに利用される。

「たち」や「たつ」と呼ばれる白子は、「たちかま」となる。「たちかま」の原料となる白子は鮮度などの条件が厳しい。多くの場合、スケトウダラは刺し網で捕獲するが、岩内ではスケトウダラをはえ縄で捕るため、魚体が傷まず新鮮な白子が採れる。そのため、「たちかま」が今でも残っているのだ。

おでん煮や刺し身など、様々な調理法がある

岩内で冬の間だけ「たちかま」を製造している尾崎商店に立ち寄った。「たつのかまぼこ」と表記され、子どものげんこつくらいの白いたちかまが3つ1袋に入っている。社長の尾崎修さんに聞くと「新鮮な白子が入った時だけ作る。海がシケたら休み」という。

奥の作業場では、早朝から、白子をより分け、裏ごしし、練り、ゆでる作業が行われている。魚肉は一切入っていない。固めるための塩とでんぷん以外は、白子100%のかまぼこだ。2月ごろまで作られ、町内のスーパーなどで1袋1000円ほどで売られている。ファクスでも注文を受けるが、海の状況により対応できないこともある。

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