N
働き方・学び方
イチからわかる

2012/11/21

イチからわかる

イチ子 競争を引き起こす新しい仕組みが必要ね。例えば「発送電分離(はっそうでんぶんり)」という仕組みよ。これまでは発電と送電という2つの機能(きのう)は、大手電力会社が担(にな)ってきたわ。このうち送電部分を切り離(はな)して、電力会社とは関係ない別の組織をつくって運営(うんえい)しようという計画よ。

大手が自分で送電線を管理(かんり)していると、新電力は割高(わりだか)な送電線の使用料を払わなければならないけど、別の組織になれば使用料が適正(てきせい)かどうか明らかになって、安くなる可能性もあるの。

からすけ でも新電力は発電量に限界(げんかい)があるんでしょ?

イチ子 発電所から遠く離れた場所にたくさん電気を送るなら、大きな発電所が必要だけど、そうでなければ、新電力の活躍(かつやく)する余地(よち)はあるわ。各地の送電線を使って、電気の消費地(しょうひち)に近いところで発電すればいいんだから。

からすけ もし、近所のショッピングセンターが太陽光発電の新電力をつくったら、そこから買えるかもね。

イチ子 そうね。ただ、問題もあるの。たくさんの電力会社が使えるよう送電線の能力を高めるにはお金がかかるけど、それを誰(だれ)が負担(ふたん)するか。すべての電力会社が公平に使えるようにするにはどうしたらいいか。そうした問題を今、議論しているのよ。

インド、30~40%「盗電」か

渋谷学園渋谷中学高等学校の真仁田智先生の話
 電力は経済発展(けいざいはってん)に欠かせないインフラ(産業基盤(さんぎょうきばん))で、高度な技術とたくさんのお金がかかります。『2050年の世界―英「エコノミスト」誌は予測する』によれば、今後、人口が増加し安い労働力(ろうどうりょく)をもつアフリカが発展すると予測していますが、サハラ砂漠(さばく)以南では、電力が行き渡(わた)っていない地域が多くあるのが現状(げんじょう)です。
 東南アジアの中でこれから経済発展を目指すミャンマーでは、投資(とうし)ブームが起きており、他国からの工場進出と複数(ふくすう)の火力発電所建設が急ピッチで進んでいます。ノーベル平和賞が贈(おく)られたアウン・サン・スー・チーさんの自宅軟禁(じたくなんきん)を解(と)き、民主主義化したことを国際社会に印象(いんしょう)づけたことも関係(かんけい)しています。
 新興国(しんこうこく)のインドでは、経済成長で増え続ける電力需要(じゅよう)に対して安定した電力供給(きょうきゅう)が追いつかず、電力不足のためしばしば停電(ていでん)が起きています。さらに電線からの「盗電(とうでん)」が簡単にできる地域も多く、総発電量の30~40%が消えるなどの問題を抱(かか)えています。
ニュースなテストの答え 1=コンビニエンスストア、2=発送電分離

[日本経済新聞朝刊ニュースクール2012年11月17日付]

注目記事