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うがいは水道水でOK 喉のトラブル、最新予防法 慢性的なら病気の恐れも

2012/11/22 日本経済新聞 プラスワン

漢方薬治療に詳しい青山杵渕クリニックの杵渕彰所長は「この症状は、いわばのどの感覚が過敏になった状態」と話す。のどのイガイガ感の場合は、漢方薬が効果的なこともある。口をゆすいだ後、ぬるめの甘草湯(かんぞうとう)、桔梗湯(ききょうとう)でうがいをすると過敏な感覚が和ぐという。うがいをした後、吐き出してよいが、慣れたら飲み込んだ方が効果的だという。杵渕所長は「症状が軽い場合は、番茶のようにタンニンを多く含む渋めのお茶をさまして塩をひとつまみ加えたものでも同様の効果がある」と話す。

咽喉頭異常感症のなかには、のどが詰まった感じやゴロゴロとした塊があるような感じを訴える人もいる。のどは生命維持にかかせない臓器のため、他の場所なら気づかないような小さな刺激でも、神経質になる場合がある。心療内科などで「ヒステリー球」などと呼ばれる概念と同じだ。杵渕所長は「軽症の場合は、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などの漢方薬が効果的で、最近では耳鼻咽喉科でも処方されるようになった」と話す。

専門医で受診を

また最近、咽喉頭異常感症の原因として注目されているのが胃との関連だ。胃液が食道に逆流して食道に炎症や潰瘍を起こす逆流性食道炎では、症状として「胸焼け」などが起きるが、より症状が軽い場合は食道の症状は全くなく、より敏感なのどが不調をきたす。

渡辺教授など耳鼻咽喉科のグループは、こうした症状を咽喉頭酸逆流症という病気として診断することを提案してきた。「分かりやすく表現すれば『のど焼け』。プロトンポンプ阻害薬という胃液分泌を抑制する医薬品で改善する場合もある。のどの違和感が続く場合には、耳鼻咽喉科で、がんなどの病気が無いことを確かめた上で、胃の働きを改善する医療を受けるといいだろう」と話す。

冬のイライラの原因となりがちな、のどのトラブル。早めの対処で改善したい。

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■声の異常は「使いすぎ」

乾燥や風邪などによる粘膜の炎症が、喉頭と気管の境にある声帯に及ぶと声の異常をもたらす。渡辺教授は「声のトラブルを悪化させるのは、声帯の使いすぎ」と話す。セミナー講師、販売員、カラオケマニアなど、高く大きな声を使い続けると声帯に結節(マメのような塊)ができて声質が変化する。

声がおかしいと感じたら、乾燥を避けるなど、のどのケアにはげむと同時に、必要なときは低く小さな声で話すなど声帯に負担のない生活を心がけたい。渡辺教授は「声の異常には、神経の病気である反回神経麻痺(まひ)などが原因のこともある。最近では、有効性の高い手術治療も開発されているので、早めに喉頭の病気の専門家に相談してほしい」と話している。

(ライター 荒川 直樹)

[日経プラスワン2012年11月17日付]

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